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トラトラ

Author:トラトラ
トラトラの日記です。
『のんびり獣道』というお話を掲載させて頂いております。
流す程度に読んでみて頂けると嬉しいです。

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○コメントにお話の予想やネタバレになりそうな内容を書き込まれる場合は、非公開でお願い致します。 ただ、拍手コメントは非公開にされますとレスが書けなくなりますのでご注意下さい。
○一つの記事に複数回コメントを書き込まれる場合は、三回までとさせて下さい。
◯楽しい場所にしたいですので、何かしら(アニメや漫画、社会情勢などなど)への批判やディスるといった内容、また自身の主義主張などのコメントへの記載はご遠慮下さい。
◯トラトラ屋創作物で、お話に出ていない設定を尋ねるのはご遠慮下さい。 二次創作等で必要という際には、御自身で自由にお考え頂いて構いませんですので。


以上、宜しくお願い致しますです~!!

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源司編第二話「そのおもいのなをきみに」ー続
「では、行くぞ! パパさん、召喚!!!

ぼふーん!!!

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「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

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「…え?」

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「え!?」

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「えぇええええええええええええ!!!!?」



時は少し遡りー

「堕神!!!?」

いきなり出てしまった大声に思わず口に手を当てると、驚いて起きてしまったナギと赤ちゃん虎鉄の視線に背を向け、そそくさとリビングを出て廊下の戸を閉める。

ー堕神って、虎鉄君のおじいさんが!!?ー
ーうん。 神システムのエラーならこてっちの血族にも同じエラーが起こってるかも知れないと思って、で調べてみてわかったー
ーで、では虎鉄君は神の血族…?ー
ーまぁクローンじゃなく生殖行為で生まれてるから、神格は受け継いでいない普通の獣人だけどねー

後半はよく聞いていなかった。
思わぬところで見つかった自分と虎鉄との共通点が、嬉しくて仕方がなかったのだ。
赤ちゃん虎鉄に嫌がられた直後だったので、嬉しさもひとしおだ。

ー兄ちゃん、聞いてる?ー
弟の心配にハッと我に返る! そうだ、そんな事で喜んでいる場合ではないのだ!!
何せシステムでは元に戻せない上、記憶消去のタイムリミットまであるというのだから…!!

ーえぇと、ではそれが原因でご家族全員にこのエラーが?ー
ーいや、おじいさんもお父さんも、特にこてっちみたいな現象は起こってなかったー
ーでは血統が原因ではないと…?ー
ーえーとね、原因って言うならこの血族のオリジナルが原因に当たるかなー
ーオリジナル? お爺様の?ー
ーうん、オリジナルは最高神なんだよー

「最高神!!!!?」

再び廊下に響き渡る土地神様の大声に、戸の向こうから訝しげな視線をひしひしと感じる。

ーここ、虎鉄君が最高神様の血族!!? それってとんでもない情報じゃないのか!!? どどど、どうやってそんな事を知ったのだ…!?ー
ーシステムの洗い出し手伝ってもらってたから、直接訊いたー

「直接!!!!!!!?」

戸の曇りガラスに爛々と光る眼光が三つ!!! とにかく無理矢理両手で口を抑えこむ。

ー最高神様達と作業しているのか!!? あ、いや、そんな事より今は虎鉄君の、えーと…何だっけ…?ー
ーもう…兄ちゃん大丈夫…? まぁ俺としてはちょっとあたふたしてくれてて嬉しいけどー
ーん? 何がだ…?ー
ーあ、いや、こっちの話。 えーとね、本来なら自然生殖で生まれたノーマル獣人のこてっちには特に関係ない話だったはずなんだけど、平たく言うとタイミングが悪かったんだよー
ータイミング?ー
ーその最高神は元々、血液能力保有者だったのね、それをこてっちの血族は遺伝として引き継いじゃってるー

血液能力ーこの世界に住む者達の一部が有する異能の名称、簡単に言ってしまえば血を媒介とする超能力だ。 「ウイルス感染」によって人が獣人や鬼種に変化する中、その感染者の一部に生まれた特殊能力である。
神システムが出来る以前、かつての種族大戦で多くの命が失われたのも、この異能があったればこそだ。
とはいえ… 

ー血液能力なら、鬼種も、獣人だって3割くらいは持っているだろう? 例えどんな能力を持っていようと、神システムで厳重に管理しているから使用なんて出来ないぞ? というか、そもそも今回のこととは関係ないだろう? あ、まさか…そこにおかしなエラーが!?ー
ーいや、結論から言っちゃうと、エラーなんて無いんだよ
ー…無い? そんな、エラー以外にこのタイミングで幼児化なんて馬鹿げた現象…ー
ーそう、問題はその『タイミング』自体なんだよー

さっぱりピンと来ない。
ーそれってどういう…?ー
ー最高神からこてっちが受け継いだ能力は『時間制御』なんだよー

時間制御!!?
ーまさか!! そんな能力、生物単体で…!?ー
ーまぁ、だからこその最高神なんだろうけどね。 ただ、この能力には問題があって、力の制御の為には『分核』っていう特別演算ユニットが必要なんだ。 これがないと自分が望んだ効果が得られないー

ー…ちょっと待て、望んだ効果が得られない? 使えなくなるわけではないのか…!?ー
ーうん、使えちゃうんだよ。 ただし、その膨大な情報を処理しきれないから、例えば3の出力を望んでも1しか発揮されなかったり、逆に暴走状態で10で出力される場合もあるんだってー

時間制御   暴走   タイミング

バラバラだったピースが、徐々に形を成してきた
まさか…

ータイミングからして今回のシステム更新が原因なのは明らか。 でも問題は、システム自体ではなく『システム更新』という行為そのものなんだよー

ー…更新の為の…タイムラグか……?ー
ーうん。 今回のシステム更新は『更新』という名称は付いていても、その実は『アップデート』ではなく『旧システムの削除と新システムの完全新規インストール』だ。 その二つのシステムの稼働時間の間に、僅かだけど『どちらのシステムも稼動していない時間』が存在しているー
ーたった、僅か…0コンマ3秒程度だぞ…?ー
ーその瞬間を狙って何かをする必要なんて無いんだよ。 その前から強く願い続けて、願っている間にその瞬間が訪れれば良いー

つまり…

ー虎鉄君が…願ったのか…?ー
ーそう俺達は推察した。 システム更新が行われた昨晩21時05分、厳密にはそれ以前から、こてっちは『時間を戻したい』と強く願っていた。 そしてその瞬間、こてっちはこう、頭を抱えてたんだと思う。 血液能力は掌から出す血液で能力発動するからね。 で、システムダウンで能力起動、自分自身に時間逆行能力を発動させるも分核を持たないこてっちはそれを制御できずに能力暴走、結果自らを幼児になるまで逆行させてしまったんじゃないかなー

ーその推論…お前個人はどの位の確信を持ってる…?ー
ー…ほぼ十割ー

ここまであの弟が言うのだ。 これが真実と見て間違いないだろう…。

その時、いや、それ以前からだろう、虎鉄君は思い悩んでいた。 頭を抱える程に…。
彼のその姿を想像するだけで、胸の奥が冷たく締め付けられる。
虎鉄君は、自分の悩みなど決して話してはくれない。 一人、思い悩んで疲弊してしまう。
それが源司には、寂しくもあり、悔しくもあった。
頼りにしてもらえない自分の不甲斐なさが、

その思いに気付けない、自分の鈍さが…。

再びマイナス方向に向いた思考に頭を振ると、今までの情報を自分なりに整理する。

ー…では、記憶保持のタイムリミットというのは…?ー
ーシステムエラーによる時間軸のズレだったら、現在のこてっちと赤ちゃんの頃のこてっちが存在的に入れ替わっただけだし、元のこてっちの情報も当然システムに保存されてるから、元の時間軸存在にシフトし直せば全て元通りだけど、こてっちのそれは『若返り』に属するんだよー
ー若返り!? そんなもの、神々でも…ー
ー出来ないね。 理論上は不老になるわけだし。 それをやっちゃったのがこてっちって事だね。 言うなればその事自体がエラーなんだよー
ーつまり…?ー
ー3歳若返るとかと理屈は一緒。 記憶も人格もそのままで、肉体だけが若返る。 これを究極までやっちゃったのがこてっち。 当然記憶も人格もそのままだけど、赤ん坊の脳がそんな膨大な情報を処理できるわけがない。 読み込みもできないし、保管も最大で24時間が限界だろうってー

現在が11時21分。 つまり更新時間の21時05分まで残り9時間44分という計算か…

ー勿論それより早まることだってある。 残り8時間程度と考えた方がいいかも…ー
ー…元に戻す方法なんだが…今の話からだと最高神様が何とかできるんじゃないか…?ー
ーそれ、俺らも真っ先に提案したんだけど、無理なんだって。 若返りなんて出来ないし、35歳まで時間を進めても、記憶も人格も同じく時間を経過しちゃうからあっという間に消えちゃうって。 一応35歳にしてから、赤ちゃんになった直後のこてっちから記憶と人格をポート出来ないかっていうのも訊いてみたんだけどー
ーおぉ!! それなら出来そうではないか!?ー
ーオススメできないって。 赤ちゃんになった時点で記憶と人格を独自に圧縮しているだろうし、無理矢理ポートしても正常に読み込めるか怪しいってー

そこでふと疑問が浮かんだ。
ーそれならわざわざ赤ん坊になってしまった後のデータを移動させずに、元の状態の虎鉄君から記憶と人格を持ってくればいいのではないか? いや、そうか! それよりも私が過去の時間軸に介入して虎鉄君の悩みを解決するか、更新の一瞬に裸踊りでもして気を逸らせば…!! ってそうか…時間介入なんてしたら、約束が…。 いや、虎鉄君自身に力を使わなければセーフか…?ー
ー兄ちゃん、そもそも時間介入もう出来ないよ?

ー…え? 何故だ…?ー
ーシステム更新しちゃったじゃない。 現行システムで介入できる時間は、システムが稼動した2010年3月13日21時05分以降の時間軸のみだよ?ー
ーまさか!!? え、本当に!!!?ー
ー兄ちゃん、知らなかったの…? 今回の更新の目的の一つが『過去の確定』だもん。 最高神二人が復活した今の歴史も介入次第では改変出来ちゃうし、それを防ぐ為の更新でもあったわけだからー

まさかの打つ手なし!!? それで元に戻せないって言ってたのか!!!?
再びあたふたしてしまう兄に、弟は快活に話しかける。
ーまぁ落ち着いて。 システムでは元に戻せないって言うのもあくまで『今は』ってだけの話だから。 これから俺と弩来波、それに最高神達で修復用のシステム組んでみるから。 だから兄ちゃんは落ち着いて、もう一方の手段を試してみて欲しいんだー
ー…もう一方?ー
ーこてっちの説得。 この時間制御能力って、かつては時間停止に使ってたそうなんだけど、停止させた対象の時間を動かすときには再度能力を使用するんじゃなくって、意思で能力リセットが出来るそうなんだよ。 だからこてっちが時間を戻したいっていう意思を撤回すれば、元に戻れる可能性が一番高いんだよ。 勿論、今のこてっちがどの程度まで理解してくれるかは微妙だから難易度高いんだけどー

ーそっちのシステム構築はどれくらいかかる?ー
ーギリギリかも。 でも絶対間に合わせるから。 だから兄ちゃんも気負わないでね。 いざとなったら俺がこてっちの時間止めちゃえばいいわけだしー

先ほどちらっと漏らしてしまった「約束」で、この弟は既に全てを把握してしまったらしい。
だがそんな、一人で罪を被るような真似、弟にはさせられない。 無論、自分も約束を破る気はない。

あの約束は、虎鉄君と僕とを繋ぐ  信頼という「絆」なのだから

神の力は、最後の最後のその瞬間まで虎鉄君には使わない。
タイムリミット8時間、その前に絶対元に戻してみせる!

ー今、弩来波がそっちの作業に役立ちそうなアイテム作ってるから、出来次第そっちに送るね!ー
ーわかった。 そっちはよろしく頼むー
ーうん! じゃ兄ちゃん、こてっちを頼むねー!ー

そうして通信は切れた。

源司が居間に戻ると、ソファーに転がっていたにろさんも目を覚ましていた。
ナギから受け取った赤ちゃん虎鉄に何度も意識を失いそうになりながら、それでも顔をすりすりしている。
血が付いたシャツは脱いで洗濯かごにでも入れたらしい、上半身裸で赤ちゃんを愛でるその姿は中々に凄まじい。 

自分には分からないことが多い、だがこの二人には自分には無いものが多くある。 それを嘆くのではなく、役割分担と割り切ればいい。

そう、僕には、僕にしか出来ないことがあるのだから

にろさんとナギには、事のあらましを説明した。
無論、血統や能力に関しては伏せて、システムエラーで彼の「過去に戻りたい」という願いが変な形で聞き入れられてしまったということにした。

「うーん、キバトラが過去に戻りたがる理由ねぇ…?」
「それならアレではないかな? 家庭のこととか」
「家庭ですか?」
「えぇ、虎鉄って子供の頃からその辺でいい思いをあまりしなかったわけですし、義兄さんとの関係をやり直したいのかも…?」
「兄さんって、キバトラのアニキか?」
「あぁ、いや、私にとっての義兄さん、つまりは虎鉄の父親だ」

こてパパについては源司もナギも来て欲しくはあったところだが、相手は世界的大俳優、予定も取れないだろうしそもそもどこにいるのかも…

そんな折、双子からお助けアイテムが到着した。
源司が紙に書いた臨時ゲートからボンッと煙が起こり、中から現れたのは小さな鳥居だった。
これを使えば、相手のいる場所と空間が繋がり、相手の首から上くらいはここに出せるという代物らしい。 よくもこの短時間でこんなトンデモなものを作れるものだ。 源司は思わず笑ってしまう。

「どした、オヤジ?」
「いや、私にできることを、精一杯やろうと思っただけだよ」

すーっと息を吸い込むと、掌を胸の前で向かい合わせる。
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「では、行くぞ!」 

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「パパさん、召喚!!!」


続く


はい、という訳で源司編第二話の「続」でした~w
実は一気にラストまで書いてしまおうと最初は思ったのですが、波威流と源司さんとの会話があまりにも設定色が強すぎて、読んでて疲れてしまうのではないかと3編に分けることとしました。 なので今回は少し短めの構成になってます。
それでものんけも開始当初はもっと短かったんですよね(笑)

先も書いたとおり今回は設定色が強いのであまり面白くなかったと思います。 次回はもっと楽しんで頂けるものになるよう頑張りますので、どうぞご容赦くださいね。

さて、ここでちょっとうんちく~。
過去への時間干渉、タイムトラベルが出来るのに若返りが出来ない不思議神様ワールド(笑)
ちょっと疑問かもなので、ここでちろっと説明しますね。

時間転移は睦月君が潜在的に持っている未来の科学理論であり(設定集参照w)、グレイさんの時間制御と神様システム内に保管されている歴史情報を利用することで可能なのですが、睦月君もグレイさんも「若返りは使えない」為、こんなちょっと変な状況になってます。
かつてグレイさんは死んだ人々の時間を巻き戻して生き返らせるというトンデモなことをしていますが、その時も生き返った人達は巻き戻された以降の記憶を持っていませんでした。 記憶と人格を保持したままの肉体時間遷移は出来ない能力なんです。
睦月君の時間移動は周りの時間を移動するもので、彼個人の肉体時間を変えることはできないので、こちらでも若返りは不可能。
元になる能力が存在しないので、神システムでは「若返り」は再現不能と、そういう状況になっております。

まぁ何度も言いますが、所詮素人が考えたものですので矛盾ありありなんでしょうけど、その辺りは生温かく見てあげてくださいね(笑)

最後に余談w
源司さんのカラーイラスト、実は元ネタがあります。
とあるアニメのOPのワンシーンを、ポーズと背景をそのまま再現しています。 わかる方、いらっしゃるかなー?(あ、とある魔術とかじゃないですよ?w)
もう戦場は〇〇の中には留まらない…!!!みたいなw

ではでは、次回をお楽しみにです~!!!

のんけも | 00:00:08 | Trackback(0) | Comments(33)

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