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トラトラ

Author:トラトラ
トラトラの日記です。
『のんびり獣道』というお話を掲載させて頂いております。
流す程度に読んでみて頂けると嬉しいです。

※注意事項です※
○コメントレスが非常に遅くなっております。 お急ぎの要件、レスが早く必要だという場合は、個別にレスが付けられる拍手コメントですとすぐにお返事が付けられますので、そちらのご利用をお願い致します。
○コメントにお話の予想やネタバレになりそうな内容を書き込まれる場合は、非公開でお願い致します。 ただ、拍手コメントは非公開にされますとレスが書けなくなりますのでご注意下さい。
○一つの記事に複数回コメントを書き込まれる場合は、三回までとさせて下さい。
◯楽しい場所にしたいですので、何かしら(アニメや漫画、社会情勢などなど)への批判やディスるといった内容、また自身の主義主張などのコメントへの記載はご遠慮下さい。
◯トラトラ屋創作物で、お話に出ていない設定を尋ねるのはご遠慮下さい。 二次創作等で必要という際には、御自身で自由にお考え頂いて構いませんですので。


以上、宜しくお願い致しますです~!!

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のんびり獣道 短編 『ウェルカム! レッド・ブル』
はい、前回から10ヶ月ぶりの更新でございます。
ゲームの製作で思いの外いっぱいいっぱいで、ほぼ年イチ更新で申し訳ありませんです……(汗)

さて、のんけもテキストの勘を取り戻すべく過去ののんけもを読み返したんですが、もう誤字の嵐で脱糞しました。
ホームページへの移行ができたらその際に全て直しますが、一応気付いた部分だけピックアーップ!!

※種族大戦:めっちゃ『種族対戦』って書いてます。 短く『大戦』と表記する際にも、『対戦』って書いている部分も。 設定資料集に掲載している表記が正解で、『大戦』です。 ミーのおバカ!! 嫌い!!

※新郷中佐の呼び方:ワンコーズは新郷さんのことを『隊長』って呼びます。 でもいつの間にか、全部『中佐』呼びになっていました。 何でや!!? どこからや!!!?って同人誌を見返したら、こてタンコレクションの時点でもう間違ってました。 直せないじゃん……!! 直せないじゃーん!!!
ってことで同人誌はもう諦めて、本編では『隊長』にします。 四人は新郷さんを上官としてよりも、リーダーとして慕っている感じなので。

他にもきっと、いろいろミスってます。
でもそれらは自分の歴史なので、ブログの方はそのままに、ホームページへの移行時に直します。 いつ、移行できるかですけどねぇ……きゃっ。

ではでは、めっちゃ長くなっちゃいましたがそれでも『短編』と言い続けるのんけも最新話、ご興味がおありの場合は続きをどうぞですー!! ……つまんなかったらゴメンナサイ。

※ひとつだけ、追記をさせて下さいね。
6月10日開催の野郎フェス2017実行委員会より、やはり『八十島大学人外絵巻 壱』の頒布許可が出せないとのお返事を頂いてしまいました……。 ただ、『弐』は問題無しとのことでしたので、こちらは会場にて頒布致します!
あとは『GoodLOVEる ダークネス』ですが、こちらももしかしたら危ないかもです……。 修正基準、厳しいなぁ……。





――激ヤセ回復のために貰った三連休は、結局まるまる一日を余すこととなってしまった。

それは自身ばかりでなく、料理を作りまくろうと意気込んでいた皆もおそらく同じであろう。 バイトにしろ道場にしろ、休みを取ってくれていたに違いない。
そんな皆に、虎鉄は『すっかり元通りとなったばかりか、リバウンドすらしました』的な電話連絡を、謝罪含めして回る。

『なんだよ、元に戻ったんなら良かったじゃねぇか』

『こてさんが元気になったのでしたら、それが何よりですよ』

『また何かあったら連絡してくださいっす! 文彦と画策していた豪華シーフードカレーを、改めてご馳走しますから!』

そんな優しい言葉を貰い、またトラトラ屋副店長のにろさんからは”出社しなくていいからもう一日ゆっくり休め”とのご通達を頂き、虎鉄は世話になった皆に何か贈り物を、お菓子でも作って差し上げようかなどと画策しつつマンションへと戻ってきた。

何を作るかを決めて、足りない材料を買い足して……そんな幸せに満ちた小さな思案も、自室前に到着した途端に全てが吹っ飛んだ。

正確に言えば

seihitsu15.jpg

扉の横に置かれたカゴに眠る、その赤ん坊を見た瞬間に……であるが。

見覚えのある赤ん坊の容姿。
そして、見覚えのある封筒の筆跡……!

嫌な予感がギュンギュンする!!
いや、むしろ嫌な予感しかしない!!!

牛獣人なのは一発でわかるが、その髪の色、体毛の色、目元、鼻の大きさ、呑気な口元。 そのどれを見ても、明らかに義兄・蔵王大輔の血族である。
そんな赤ん坊が、自身のマンション扉前に置き去りとされている。 封筒の筆跡を合わせると、犯人の心当たりが虎鉄には一人くらいしかもう浮かばない。
近くに口髭のオッチャンがいたら、麻酔針で眠らせて蝶ネクタイで犯人をバラしたい勢いである。
見た目はケモノ、中身はケダモノ。 オチンチン大好き・名探偵虎鉄!!

そんな脳内脱線はひとまず横へ置き、虎鉄は諦めにも似た溜息と共にその子を自室へと連れて入った。

スヤスヤと眠るその赤ん坊をカゴごとソファへ静かに下ろすと、不意に危険な香りが鼻をくすぐる。
それは、まぁオブラートに包むことなく語ってしまうとウンチの匂いであった。
どうやらこの赤ちゃん、おむつの中で粗相をしてしまったらしい。

……で、なんでこの子はそんな大惨事状態でスヤスヤ眠っちゃってんだろ……?
赤子にして、どんだけ大きな器を持っちゃってるの?

思い返せば、大輔も皆の視線なぞ知らんとばかりに牛すき焼きをむしゃむしゃ食べていた。 なる程、血族の特性はしっかりと受け継いでいるらしい。

獣人のウンチは、人間のそれに対してあまり臭わない。
この世界の住人達は皆が特殊なウイルスの感染者であり、オリジナルの地球住人達よりも多くの面で強化された肉体を有している。
そんな中で、獣人達は特にその感染度が高い。 そのため、ウンチのニオイ菌達さえも彼らの腸内細菌は見事に分解してしまうのだ。

とは言え、やはり食事をとる場所付近でウンチのニオイがするのはあまりいただけない。
強力な腸内細菌君達の活躍で臭いが抑えられようと、同時に彼らの嗅覚もまた強化されてしまっているのだから致し方ない。
虎鉄は好きな人の排便行為や排泄物を見るのは大好きだが(ド変態の部類である)、ニオイ自体はそう得意ではないのだ!

そんな訳で、赤ん坊と共に置かれていた紙袋を漁ってみると、中には簡単に付け替え可能な紙おむつが入れられていた。
じっくりとその説明書に目を通し、赤ちゃんをカゴより抱き上げる。 汚れてしまったおむつを外し、温かなお湯で濡らしたタオルでおしりを拭く。 紙袋にはウェットティッシュが入れられていたのだが、それが赤ちゃん用などではなく普通~のウェットティッシュだったため虎鉄はその使用を諦めたのだ。
獣人の赤ちゃんはお尻も体毛に覆われている、ひょっとしたらお肌に優しい系じゃなくても良いのかも知れぬが、やはり確証は持てない。 この紙袋を用意してくれた御方は、あまりその辺りを気に留める精神を持ち合わせてはいなかったようである。

最後に新しいおむつを付けてあげ、敷き詰められていた布が綺麗であることを確認すると再びカゴへと静かに寝かせる。
この作業中でさえ全く目を覚まさなかったのだから、この幼な子の大物ぶりは揺るぎそうもない。

そして全ての作業を滞りなく終え、虎鉄は心底落ち込んだ。

redbull1.jpg
「俺より……!!! 俺よりぃいいいいいいいいいい……!!!!!」

赤ちゃんは、『アソコ』も血族譲りであったらしい。


のんびり獣道 短編

『ウェルカム! レッド・ブル』


ご近所迷惑とならぬよう声を殺してフンスフンスと泣き続けた虎鉄君、ようやく落ち着くと横に避けておいた封筒を手にする。
年齢にそぐわぬ丸文字、裏返すと予想どおりの名称が記されていた。

……いや、実際には予想と少し違っていた。


お母さんより


えぇえええ……?
貴方も私も、もう結構なお年じゃない? お母さんって……。
母より、とかでいいじゃない……。

何度目かの溜息を吐き出しつつ、中の手紙を出してみる。
ふたつ折りにされた手紙は、花の刺繍が入った可愛らしいものであった。
だがそんなメルヘンチックさに騙されてはいけない、現状から鑑みるにそこに記されているであろう内容は最悪に違いないのだ。
ジト目のまま、虎鉄は手紙を開く。


虎鉄へ

久しぶり、お母さんです。
私たちは絶縁してはいるけれど、親子という関係は変わらないものね。
昔はいろいろあったけど、あれからもう随分と時間も経ちました。
お互い、過去のことは水に流しましょう。



……えぇええええええええええ?
出だしからもう、光の速さで最悪なんですけど……?
俺から言うならまだしも、そっちから言っちゃうんだ……? 子供的にはサラッと水に流せるような軽いトラウマでもないし、水に流して欲しいようなこともそんな無いんですケド……?

以前の虎鉄ならハラワタを煮え繰り返し手紙なんぞミキサーにかけていただろうが、ちょっとした出来事があって以降はそれ程怒り狂うこともなくなり、現在も突っ込みつつではあるが比較的平常運転でその内容を読めていた。

ことは昨年の誕生日、つまりは例の怪物・リクェルト666と対峙した数日後に遡る。
その記念日を祝おうとこっそり休みを取ってくれていた父・鉄志と、虎鉄は覚えていないが祖父・虎伯とで豪勢な食卓を囲っていた際のこと。
虎鉄が、ふと父にこんな台詞を投げかけた。

「そういえば父さん、再婚とかってされないんですか?」

「……なんだい、藪から棒に?」

「ほら、たとえば大ちゃんのお母さんとか? 凄い美人さんだったじゃないですか? 父さんとも親しそうに話してましたし、大ちゃんのお母さんみたいな女性だったら俺も応援するんですけど?」

その言葉に、鉄志はポリポリと頭を掻いた。

「う~ん、確かに大輔君のお母さんは美人だったが……正直、女性とのお付き合いは懲り懲りでなぁ」

では男性とのお付き合いはどうでしょう、にろさんとか?という言葉を、虎鉄はとりあえず飲み込んでおいた。

「それに――」

「……それに?」

redbull2.jpg
「父さん、どうせ再婚するならピチピチギャルがいいなぁ」

……あれ? ひょっとして離婚の原因ってアチラばかりじゃないんじゃない……?

虎伯爺ちゃんにポンポンと慰められつつ(覚えていないが)、虎鉄はそんなことを思ったのであった。

――そんな訳で、虎鉄の内部事情は随分と変化していた。
以前は『あの人』や『彼女』としか表現できなかった相手も、今では普通に『母』『母さん』と心の内で呼べるようにもなっている。

呆れ顔にはなりつつも、まぁ母さんらしいかもねと手紙の先を読めるまでにさえなっていた。


ところで虎鉄、ラッコは好き?


……は?


お母さん、今ラッコにはまってるの。
今の旦那と暮らす家の近くに、大きい水族館があるのね。
そこに三匹のラッコがいるんだけど、これがもう本当に可愛いの。

テレビなんかで見たことがあるかしら? おなかの上で、ホタテを割るやつ。
あれね、飼育員が仕込んだ芸じゃないかって疑ってたの。 でも違うのよ? 知ってた?
あれ、本当にやるのよ? おなかの上にホタテをおいて、手に持った石で必死にコンコンやるの。 それがもう、本当に可愛くて! 旦那と、何時間でも飽きずに見れちゃうの!

長細い体も可愛いし、それがクルクル回りながら泳ぐ姿も可愛くて――



いや赤ちゃんのこと語れよ!!!?
えぇええええええ!!!!? この状況を眼前に控えさせておいて、何で手紙の1ページ目がまるまるラッコの話で埋め尽くされてんの!!!!!?
どういう高度な精神攻撃!!!!!?

嵐の如く突っ込みつつ、虎鉄はおそるおそる二枚目を見てみる。


どう? 少しは落ち着いたかしら?
突然のことで、びっくりしただろうと思って。



何、ラッコの話まさかの気遣い!!!?
超いらねぇしむしろラッコの話でビックリしたよ!!!!!
相変わらずどこか大切なパーツが欠如してるよ、このお母さん!!!!!


もう気付いてると思うけど、その赤ちゃんは私と今の旦那との子供です。
ほら、お母さんもそう若くはないじゃない? だからね、今さら妊娠なんてしないだろうと思ってたの。

そんな訳でね、旦那とは避妊とかせずにセックスしてたのね。
そうしたら妊娠しちゃって、本当にびっくりしたわ。



本当にビックリだよ!!
妊娠云々以前に、息子に対するその赤裸々さがね!!!!?
もうちょっとオブラートにくるんでよ!!!!! 親の性生活事情なんて一生知りたくないよ!!!!!!(父さんとにろさんなら別腹だけど)

ちなみに、虎鉄君の年齢からお母さんの歳を考えると妊娠出産とかおかしくない?と疑問に思われるかもしれないが、先に少し触れたとおり、この世界の住人達は少し特殊なのだ。
獣人人間問わず全員が特殊なウイルスに感染しており、獣人ほどではなくとも人間男子や女性もオリジナル地球の人類よりも強い肉体を有している。
そのため、オリジナル地球の人類ではちょっと考えられないような高齢出産も可能であり、虎鉄母のようなケースも珍しくはあるものの、年間で数人は確認されていたりもするのだ。


最初はね、堕ろそうかっていう話にもなったの。
でも、こんな年齢で授かった子供でしょ? そんな命をたち切るなんてできなくて、出産することを決めました。

とは言っても、この年齢で1から子育てってきついでしょ?
旦那とゆっくり過ごしたいし、まだまだ遊びにも行きたいじゃない? 学費だってばかにならないし、それほど裕福って訳でもないのね?
それに、この子が小学生とかになって授業参観なんてことになったら、周りの若い両親の中でうちだけおじいちゃんおばあちゃんみたいになっちゃうでしょ? それって、可哀想じゃない?



……何で一番まっとうな理由を一番最後に『そういえば』みたいに付け加えちゃったの!!!!?
それを!! 一番に!!! 書きなさいよ!!!!!
この人、絶対手紙の全体を考えずに思いついたまま書いちゃってるよ!!!
本音がだだ漏れだよ!!! 計画性ゼロだよ……!!!!!


そんな訳で、あなたが育てることにしました。


その唐突な一文に、虎鉄のツッコミは一瞬で掻き消された。

……え、ちょっと待って日本語おかしくない?
え、ちょっと待って日本語おかしくない!?
あなたが育てることにしました!!!!!?


ホラ、虎鉄は独身な上に、店長なんでしょ?
生活的にも、経済的にも、子育てに向いてると思うの。
それにこの経験は、あなたの今後の人生において絶対にプラスになると思うから。
頑張って、その子を育ててみなさい。

その子が一人前になって、自分でお金を稼げるようになったら
二人で息子を迎えに行きます。



redbull3.jpg
「うぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

虎鉄は、己の中の一匹の獣を解き放った。


怒りを発散し何とか落ち着くと、虎鉄はようやく母のことを少しばかりではあるが理解できた気がした。

彼女は、嘘というものを全くつかない人間なのだ。
自身の考えを思ったとおりに口に出し、文面に記してしまうような。
良く言えば『素直な』、悪く言えば『オブラートに包むスキルの全くない』女性なのだ。

それが長所として働いたのが、父のファンであった当時なのであろう。
真っ直ぐな想いを偽ることも飾ることもなく父にぶつけた彼女は、父の心を射止め結婚へと繋がったのであろう。

そして、見事短所として働いてしまったのが結婚後なのだ。
母は全くオブラートに包むということができず不平不満を思ったとおりにぶちまけすぎ、結果として喧嘩ばかりとなり離婚にまで至ってしまったのだ。

今の旦那、つまり大輔の父とはおそらくそういった面で馬があったのであろう。
牛だけど。

そう気付くと、もう怒る気力も失われていく。
大きく大きく溜息をつくと、怒りのはけ口とされてしまった可哀想なクッションさんに慈しみの抱擁を与え元の場所へと戻す。
……と、軽快な電子メロディが室内に鳴り響いた。
ズボンのポケットに入れっぱなしであった虎鉄の携帯電話らしく、取り出し確認してみると父からの電話であった。

このタイミングでの着信に、虎鉄は心底驚かされた。

まさか母さん……父さんにも同じ内容の手紙を送りつけたんじゃ……!?
今はドラマの連続撮影中だ、演技に出るような人じゃないけど、余計な心配事など僅かでも与えたくないってのに……!

「……もしもし、父さん?」

『虎鉄、今、ちょっと時間大丈夫かな?』

緊張と共に電話に出てみたが、向こうから流れる父の声は随分と穏やかかつ呑気な雰囲気であった。
どうやら虎鉄の心配は杞憂と終わったらしく、心の内で大きく安堵の息を漏らした。
父は現在もドラマの撮影中らしいが、休憩の合間に電話をくれているらしかった。 そして父より持ちかけられた相談事に、また驚かされる。

「……え!? 『食わず嫌い王』って、”けんねるず”の!?」

『そうそう。 彼らのコンビ結成30周年で特番を企画しているそうでね、その中の名物コーナーで本人達に内緒のサプライズゲストとして出演してくれないかとプロデューサーに土下座されてね』

土下座しちゃうんだ……!!?

『このオファー、虎鉄は受けた方が良いと思うかね?』

なる程、そこで俺に相談の電話をくれた訳か。
虎鉄はフム、と僅かに思案する。
けんねるずのバラエティー番組には、父も既に何度か顔を出している。 だが、その度に芸能界(特にお笑い界)でも大御所に分類されるけんねるずが焦りまくりの恐縮しまくりであった。
そんな世界的大俳優・石藏鉄志が『食わず嫌い王』に、かつ御本人達に内緒で登場したら彼らはどうなってしまうのだろう?
考えただけで彼らが不憫に思え、「受けてみてはどうでしょう?」と頬肉を盛り上がらせつつ答えてしまう小悪魔中年・虎鉄であった。

さて、そこで少し迷ってしまう。
父は完全に、虎鉄の身に起きたベイビー・トラブルを御存知ないようだ。
そこは安心したものの、このことを内緒のままにしておいて良いものであろうか……?

何せ、大輔のお兄ちゃん事案を知らなかった時でさえあれだけ落ち込んだのだ。
今回の件を秘密にされたと今後知ってしまったらどうなってしまうのか、今度こそコップの水を己の涙で完全な塩水に錬成しかねない。
意を決し、こちらからも相談を持ちかけようとすると――

『あぁ、もう撮影が再開されるようだ。 ではな、ありがとう虎鉄』

いかん!! 電話を切られてしまう……!!
焦った虎鉄は、「そうだ……!」と父を強引に繋ぎ止める。

「志崎さん……! 志崎さんって近くにいます!? ちょっと……えと、久しぶりに話したいんですけど……!?」

きょとんとした声を出した鉄志は、『あぁ、いるよ? じゃあ替わるね』と彼を受話口に出してくれた。
父はそのまま撮影へと戻ったらしく、電話の向こうから父のマネージャー・志崎 忠勝(しざき ただかつ)が懐かしい声を響かせる。

『やぁ、虎鉄君。 久しぶりだね? どうかしたかな?』

志崎は、幼かった虎鉄が心を許していた数少ない人物の一人である。
父・鉄志のデビュー当時からのマネージャーであり、彼がどこの事務所にも属さないフリーとなって以降もずっと父に付き、かつ仕事をバンバン取ってきた敏腕マネージャーでもある。
低血圧で朝が全く駄目な父を支え続けもした、ある意味世界的大俳優の影の立役者とも言える。
そんな付き合いの長い二人であるため、俳優とマネージャーという関係をしっかりと保ちつつもプライベートでは親友に近い。 無論、息子の虎鉄も随分と優しくして貰っている。

父と同世代なのでもうかなりのお年のはずであるが、今も現役バリバリで仕事をこなし、かつ見た目も髪こそロマンスグレーになってきているものの年齢に比べかなり若く見える。
虎鉄はひっそり、この人は吸血鬼か何かではなかろうか?なんて思ってもいた。

「お久しぶりです、志崎さん。 えっと……すみません、実はちょっと相談事がありまして」

虎鉄は頭の中で整理しつつ、現状を彼に伝えた。
父の仕事に影響しないよう、折を見て話してくれないか頼んでみる。

『……なる程、わかった。 お父さんが慌てないよう、何気なくで少しずつ話しておくから』

うむ、流石である!
虎鉄は宜しくお願いしますと携帯電話に頭を下げ、小さく息を吐き出すと通話を切った。
さてこれからどうしようかと思案を始めた矢先、再び携帯電話が鳴り響く。
志崎さんかな?と赤ん坊のスヤスヤ寝顔を確認しつつ番号表示を覗き見ると、画面に『大ちゃん』の文字が読めた。
父からの電話は偶然であったが、こちらは必然な気がした。
電話に出てみると案の定、心底落ち込んだ義兄・大輔の声が届く。

『こてっちゃん……今って部屋にいる……?』

「あ、あぁ……うん、いる」

『今、マンションの前なんだけどさ……上がっていい……?』

「うん、土下座とかしないんならいいよ?」

大輔の性格を読んでの先制であったが、部屋に上げた途端に彼は思い切り土下座した。

「いや、本当にいいから!! 土下座しないって言ったそばから土下座!!?」

「だってさぁ……うちの馬鹿親父がさぁ……」

「ほら、逆の立場で考えてよ!? 大ちゃんの家に赤ん坊が置き去りにされてて、俺が土下座に行っても困るでしょ!? 同じ同じ!!」

何とか説得に応じてくれ、大輔は虎鉄に負けぬ程の深い深い溜息をついた。

「……で、大ちゃんの方にも手紙が行ったの?」

「いや……俺の所在をどうにもつかめなかったらしくて、母さんのところに手紙を送ったみたい。 それで、さっき板さんから電話が来てさ……」

「板さん……って、あぁ、旅館の板前さん?」

「うん、そうそう。 前の正月に皆で来て貰った時には休みをあげていたから、こてっちゃんも会ってないよね? 俺がガキの頃からいる人で、歳も少し上くらいだから兄ちゃんみたいな存在だったし結構世話にもなっててさ。 馬鹿親父なんかより、ずっと俺にとって家族みたいな人なんだよ」

へぇ~、俺にとっての志崎さんみたいな存在かな。
昔は母さんより、ずっと志崎さんの方が好きだったし懐いてもいたし。
叔父さん夫妻が家に姿を見せなくなって以降、当時の虎鉄にとってはマネージャーの志崎だけが救いだったのだ。

「で、その板さんから母さんを止めて下さい!!って」

「……お母さん、ブチ切れてた?」

「そりゃもう……薙刀を振り回して、あの馬鹿牛のチンポコぶった切ってやるって。 旅館から飛び出そうとするのを板さん達で必死に止めて、何とか俺に電話をくれたみたい」

うわぁ……

「それで、俺がこてっちゃんと話してくるからって言って、ようやく少し落ち着いたんだけど……今度は向こう様に顔向けできないってすっごい落ち込んじゃって、こてっちゃんにもこてパパさんにもどう謝れば良いやらって」

「……ま、まぁほら、俺の母さんも関わっていることだからさ。 あまり落ち込まないよう伝えておいてよ。 って言うか大ちゃんのお父さん、手紙で何て説明したの?」

「今のツレとの間に子供が産まれた、でも育てるのもダルいし金もない。 だからツレの息子に育てさせて、金を稼げるようになったら引き取って家計を支えて貰う。 大輔はその子供の兄貴なんだから、向こうの息子にちゃんと協力するよう伝えておけって。 こてっちゃんの方は?」

虎鉄は無言で、現状まで読んでいた手紙の二枚目までを大輔に見せた。
読み終えた大輔は虎鉄と視線を交わし、互いに肩をポン、と叩く。

「「凄い親だよね」」

ハモった。

「……こてっちゃん、三枚目はまだ読んでないんだ?」

「うん、一人じゃもう読む勇気も気力もなかったから。 でも、大ちゃんがいてくれれば百人力だね。 一緒に読んじゃおうか?」

「……うん、ちょっと深呼吸するね」

大輔にも虎鉄母の凄まじさが伝わったらしい、虎鉄も深呼吸をすると互いに頷き合い三枚目を開いてみた。


そうそう、この子の名前は今の旦那と考えて決めました。
『大鉄』と言います。

じゃあ、虎鉄。 可愛い弟、大鉄をよろしくね。

お母さんより



redbull4.jpg
「「うぉおおおおおおおおおおお!!!!!!」」

兄二人の名前から適当に一文字ずつ取って付けたその安直ネーミングに、二匹の獣が解き放たれた。


「ハァ……ハァ……それで、こてっちゃんはどうするの……? 本当に、このまま大鉄を育てる……?」

怒りに上下させていた肩をようやく落ち着かせ、大輔は困り顔で虎鉄に問うた。

「う~ん……シングルファザーやシングルマザーで頑張っている方々もいらっしゃるけど、店長職の独身で……っていうのはちょっと難しく思えるんだ。 勤務中はどこかに預かってもらうにしても、それだと俺は夜勤を外して全て夕方上がりプラス定時上がりにしないと駄目だし。 それって結局、周りの皆やにろさんに負担をかけちゃうんだよね……。 だから、まずはトラトラ屋に行ってにろさんに相談してみようと思う。 大ちゃんは、今日どうするの? まだ物産展、やってるよね?」

「この話をしたら、店長が『今日はもういいから、弟さんのところに行ってこい』って背中を押してくれてさ。 物産展をやっている間は京都との行き来は大変だからこっちにホテルを取ってるんだけど、今日はひとまずこてっちゃんの家に泊まらせてもらって一緒に今後を考えるよ。 明日はここから会場に行ってもいいし」

「……ならさ、ちょっと往復が大変だけど、大ちゃんは一度京都に帰ってお母さんの様子を見てきてくれないかな? こっちはそんな感じで何とかやってみるからって、大ちゃんの口から説明して欲しいんだよ。 今でもずっと落ち込んでるだろうし、電話じゃなくて直に話してまずは落ち着いてもらいたいからさ」

虎鉄の意見に腕を組みつつウ~ン、と悩んだ大輔であったが、了解の言葉と共に頷いて見せる。
何度目かの溜息をつくと、ソファーでスヤスヤと眠っている弟へと顔を寄せた。

「……本当、ずーっと寝てるね。 お前、本当に大物になるぞ~?」

そう大輔がポンポンと頭を撫でると、家族の匂いがしたのか大鉄は眠りながらも小さな手を僅かに動かし、「クゥ」と幸せそうに寝息を立てた。
いろいろと口では言っても、やはり生まれたての弟は可愛くて仕方がないらしい。 大輔はその様子に、とても優しい笑みを浮かべた。
無論、虎鉄もである。

「……じゃあ、とにかくこっちでも大鉄の今後について母さんと話してくるよ。 大鉄にとって何が一番最良か、ちゃんと考えないとね。 あの馬鹿親父に引き取られて稼いだお金を搾取されちゃう未来だけは、兄として絶対潰さなきゃだし」

「だね」

虎鉄も頷くと、義兄と視線を合わせて吹き出し笑った。
精神的に随分と落ち着きを取り戻し、大輔を送り出すと再び「さてどうしよう」と虎鉄は思考を巡らせる。

トラトラ屋へと赴きにろさんに相談するのは良いとして、大鉄君をこのまま部屋に置いて行く訳にもいくまい。
しかし、そのまま直に抱っこして出歩いても良いものであろうか……?

赤ちゃんを連れて外出するお母さんがたを思い浮かべると、ベビーカーやら赤ちゃんを抱っこしたりおんぶしたりする際に身体に装着する……何だろう、赤ちゃん抱っこバンド?みたいなものを使うよな。
まぁ結局その正式名称はわからなかったが、それらを誰か知人から借りられないかと思案してみた(買ってきても良いが、結局それらを買いに行くのに大鉄を直抱っこで連れ回すこととなってしまうからだ)。

真先に考えるのは、マンションのご近所さんだ。
だが、接客業従事で人当たりの良い虎鉄ではあるが、人付き合いはそう多い方ではない。 何せつい数年前まで、友人ゼロのロンリータイガーだったのだ。
そしてマンション内において、会えばどの住人とも挨拶くらいは交わすものの、実際に交流があるのは上下と左右の隣人のみ。 そしてその誰もが、独身の一人暮らしであった。

赤ちゃんグッズを持っているなら、独身はまず除外されるであろう。 既婚者で、かつ子供のいるお宅に絞って考えねばなるまい。
その条件を考えると、虎鉄の交遊録から一気に大半の人物名が削除されてしまう。
既婚者であれば唯一にろさんが思い当たるが、彼の家は子宝に恵まれず奥さんに他界されてしまっている。 現在はマンションに一人暮らし、そのようなグッズとは無縁の人物である。

次に思いついたのが、土地神たる源司さん。
彼は未婚で(と言うか神様は結婚しない)自身の子供(完全クローン)を生み出してもいないが、波威流&弩来波という双子の弟達を育てた経験があった。

……だが、そこまで考えてそういえばと思い至る。
そのパイドラから聞いた話によれば、二人が源司に救われた時点で、彼らは既に5歳くらいにまで育っていたはずだ。 赤ちゃんグッズは、既に必要なかったのだ。
お父さん源司さんにも思考が及ぶが、あちらはあちらで息子の源司を培養槽で育てていた真っ最中で怪物・リクェルト666に取り込まれてしまったそうだし、そんなグッズは購入していなかったであろう。

う~んと唸り声を上げる中、パッと虎鉄君の頭上に豆電球が輝いた。
持っていそうな人物が、実に身近にいることに思い至ったのだ。

そう、師範である。

無論、彼は未婚で子供もいない。
だが、彼の住居事情が他の皆と大きく異なっていることに気付いたのだ。
師範の家は道場と合体しており、その道場は先祖代々受け継いできたものである。
つまり、師範自身が赤ん坊の頃からあの家はあった訳で、彼の両親が赤ちゃん師範用に使用していたそれらが残っている可能性があるのだ(赤ちゃん師範を想像して思わず笑ってしまったことを虎鉄は心の金庫にしまいこんだ)。

師範の道場はご近所の上、今から向かおうとしているトラトラ屋への道中にある。
虎鉄はさっそく大鉄君を抱き上げ、相変わらずオヤスミマンの弟に度肝を抜かれつつ自室をあとにした。


……のだが、普段普通に会っている人物に限って、会おうとすると会えないものである。
留守の師範宅前で、虎鉄はそんなマーフィーの法則を思い浮かべつつまいったなぁ、と頭を掻く。
それもひとえに、事前に電話連絡をするという行動がかつてのボッチ人生が故に全く身についていないという自身のせいであることに、一番しょんぼりする。

と、そこでふと思い当たる。
そう、一人いた。
ご近所ではないものの、同じ星見町内の人物。 既婚者で、確か息子さんもいたはず。 一軒家住まいであるし、赤ちゃんグッズを残してくれている可能性も高い。
師範宅の失敗も踏まえ、まずはその人物宅にお伺いの電話を入れてみた。

『……はい、猪瀬(いのせ)です』

「もしもし? ププッ、落ち着いた大人の声を出しちゃって、町内会長ってば」

『あ!? トラトラ屋~!!? 何だ貴様、こんな午前中から電話してきよってからに!!』

そう、ふわっしーと並ぶ虎鉄君の天敵。
犬猿の仲とはいえ知人であることに間違いない、星見町町内会長その人であった。

「町内会長って、息子さんが一人いらっしゃいましたよね? ウリ坊?」

『そりゃ子供の頃はウリ坊だが、ちゃんとでっかく立派なイノシシになっとるわ!』

「でしょうね。 実はベビーカーか赤ちゃんを抱っこしたりおんぶしたりする時に身体に装着する……えっと、赤ちゃん抱っこバンド?を探しているんですが、町内会長はお持ちじゃないかと思いましてね?」

『お、どうしたトラトラ屋? その歳にして、ようやく婚期逃しに危機感を覚えたか? いや、すぐに赤ちゃんグッズに思考が行くあたり、ひょっとしてできちゃった婚か!?』

「……できちゃった婚とか、久しぶりに聞きましたよ。 いえ、全然違います」

虎鉄は、掻い摘んで現状を町内会長に教えて差し上げた。

『そ……そうか。 凄いお母さんだったんだな……ウン』

天敵に何やら憐憫の感情を向けられ、ちょっとイヤんなる。

『ベビーカーは流石に処分してしまったが……赤ちゃん抱っこバンド? あぁ、うん、アレな……えぇと……うん、赤ちゃん抱っこバンド。 あれならまだ残っているかもしれん。 見つけたら連絡するから、どこかで待ち合わせしよう』

どうやら町内会長も、その正式名称を知らないらしい。

「すみません、お願いします。 えぇと……じゃあどうしようかな? 今、赤ちゃんを抱っこしているんですけど、一旦自宅に戻った方がいいんですかね? 赤ちゃんって、あまり外気に触れさせておくのって不味いのかな?」

『ん? あぁ、いやいや。 人間の赤ん坊ならともかく、獣人の赤ん坊ならどんどん外の空気に触れさせた方がいいぞ?』

「え、そうなんですか? 風邪のウイルスとかにやられちゃったりしないんですか?」

『逆だよ、逆。 獣人の赤ちゃんはどんどん外気に触れさせて、そういう多くのウイルスに抵抗力を持たせておいた方がいいんだよ。 変に気にして室内に閉じ込めておくと、身体の弱い子供になってしまうそうだぞ? まぁ、無論やたらと連れ回すのは良くないから、どこか静かな公園にでも連れて行ってやって、ゆっくりベンチにでも腰掛けるのが一番とは思うがな』

……自身に全く関係のない情報であろうと、今の今まで赤ちゃんのそういった知識は全く取得してこなかった。
へぇ~……と、心から感心してしまう。 猪瀬っちは駄目中年だが、流石に一児の父である。

では見つかったら、師範宅の近くにある児童公園を待ち合わせ場所にどうか?と提案すると、すぐに了承の返事をくれ通話を切った。
顔を合わせると互いに喧嘩腰となってしまう相手だが、基本的には気の良いオジサンなのだ。

さて、では町内会長様の御助言どおり、まずは公園へと移動してベンチにゆっくり腰を下ろしつつ連絡を待とうと歩き出すと、思いがけず声をかけられた。

声の主はわかっている、ナギさんである。
思いがけなかったのは、彼が虎鉄の歩いてきた方角、つまり彼のマンションの方向から小走りでやって来たことだった。

「……どうしたんです、ナギさん?」

そう振り返った虎鉄の胸に眠る赤ん坊に、ナギは再生した眼球までも飛び出しかけた。

「どうしたはコッチの台詞だよ!!!?」

え!? ナニ!!? どういう状況だよコレ!!?
どう見ても大輔の赤ん坊!!! え!? まさか……!!?
それってまさか……!!!?

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「キバトラァアアアアアアアアア!!!!!!!」

「ナギさんが今何を考えているかはわかりませんが、多分全然違いますから」

虎鉄は再び、現状をかくかくしかじかと説明した。

「そ、そうか……まぁ、何だ。 頑張れ?」

そんな憐憫のお言葉は、既に頂き済みなのでお腹いっぱいです。

「っつうか、それじゃあキバトラ、その赤ちゃん抱っこバンドだかでその赤ん坊を抱いたりおぶったりしながら働くのか?」

「そうですねぇ……そこをにろさんと話し合おうと思ったんですけど」

「普通に無理、っつうかやめておいた方が良いんじゃねぇか? だってキバトラ、お前普通に力仕事するだろ? 段ボール箱を持ったり下ろしたり、赤ん坊には随分と負担になるんじゃねぇかなぁ?」

流石はスーパーストーカー、働きぶりも熟知しておられます。

「う~ん……それだとやっぱり、勤務中は託児所かどこかに預けて……とか?」

「それだと金が勿体ねぇし、無論信用できるんだろうが見ず知らずの奴に預かって貰うより、もっと身近な信頼のおける奴に預かって貰った方がいいだろ? そう、たとえばこのキバトラ一番のマブダチ! ナギさんとかにな!!」

自身に親指を向けビシッ!と決めるナギに、虎鉄は目を丸くした。

「……え? え? ナギさんが赤ちゃんのお世話を……!? 全然イメージにないんですけど!?」

「いやいや、これでも赤ん坊をあやしたりした経験あるんだぜ? 任せろって!」

その赤ん坊というのが自身であることを、未だ知らぬ虎鉄であった。

「で、でも……良いんですか? ナギさん、探偵業の上に飲食店バイトでしょう? 俺より忙しいのに……」

「いや、悲しいかなすっげぇ暇でよ。 樹の阿呆が万能すぎてカフェじゃ手持ち無沙汰だし、探偵事務所も閑古鳥だしよ……」

言ってて、ナギはちょっとへこんできた。

「い、いや……でも赤ちゃんってウンチとかしちゃうんですよ? 一番飲食店にあってはならない匂いじゃないです……?」

「あぁ、それなら心配無用だ。 ホレ、その探偵事務所で預かるんだよ。 あそこは厨房からも離れてるし、ドアで客席とも完全に別れてるしな。 それにあの場所って、厨房から見えるんだよ。 だから普段は俺が面倒を見つつマスターの厨房と樹の接客をサポート、俺がいない間はマスターがちょいちょい気を回してくれりゃおかしなことも起きねぇだろ?」

なる程……虎鉄は顎を弄りつつナギの意見に納得する。
確かに、就業中はいろいろと動き回る自身が抱っこやおんぶをするより、探偵事務所でゆっくり預かって貰った方が間違いなく大鉄には良い。 
またナギの言うとおり信頼できるとは言え託児所に預けるより、知人に預かって貰った方が安心だし融通も効く。 特に定時上がりなどが難しい店長・虎鉄にとっては、相当にありがたい申し出である。

「でも……そんな甘えちゃっても……?」

「阿呆だなぁ? こういう時こそ、マブダチに甘えろってんだ。 俺だって、何か困ったことがあったらお前に頼るぜ? だからこういう時は、お互いに助け合えば良いんじゃねぇの?」

「ナギさん……」

「ま、実を言うとこっちも頼みたいことがあってよ。 そこでキバトラ、ギブアンドテイクってことでどうだ?」

そう、ニヤリと悪戯っぽい笑みをナギが浮かべる。
虎鉄もその表情にクスリと笑わされ、笑顔でその申し出に頷いた。

「それで、ナギさんの頼み事って何です? あ、ひょっとしてそれで俺のマンションの方から来たんですか?」

「そうそう。 今日は自宅でゆっくり休めって言われてたからてっきりマンションにいると思ったらいねぇし、しょうがねぇから源司のオヤジに居場所を探索してもらったんだよ。 そうしたらコーシローの家の前にいるって教えてくれてよ、こうして走って来たって訳だ。 オヤジも心配してたぜ?」

無論、走って来たのは師範の家で二人がイチャイチャと親睦を深めているのではと不安になったからであるが、そこは無論秘匿させていただくナギであった。

「あちゃ~……源司さんにも謝っておかなきゃですねぇ。 それで、何です?」

「キバトラお前、甘いもの好きだよな?」

「? えぇ、目玉が飛び出すくらい好きですけど?」

「目玉が飛び出すくらい!!? ま、まぁいいや……それでよ、星見町から標先中央くらいまでで一番ケーキの美味い店ってどこだと思う?」

大鉄君に興味を持ったのか、眠る彼の鼻先をチョイチョイと弄りながら、そんな謎の問いをナギが寄越す。

「ケーキ……ですか? どこでしょうねぇ……と言うか、何でまた?」

「……カフェ・ジョージヤでもケーキを出してるだろ? あれ、旨い?」

「えぇ、美味しいですよ? 変に冒険しない、オーソドックスな美味しさですよね?」

「じゃあよ、ほれ……お前の故郷でウサギのオッサンに食わせてもらった……きとのやだっけ? あそこのケーキと比べたら、どっちが旨い?」

「う~ん……方向性が違いますから何とも言えないですけど」

「遠慮無しで」

「……じゃあ、きとのやかなぁ……?」

「実際、マスター自身もその辺をわかってんだよ。 ケーキは全部マスターが作ってんだけどよ、売上がかんばしくねぇんだよな」

「そうなんですか……? 俺なんて、毎回ショートケーキ頼んでますけど?」

「ウチのカフェの場合、スイーツよりも軽食やコーヒーの方がやっぱメインでさ。 マスターも営業中はそっちの調理や準備に忙しくて、加えてケーキって作るのに時間と手間が随分かかるだろ? だから朝一番にその日のケーキだけ全部作って、冷蔵庫に保存しておくのな? それを注文受けたら、随時出してんだよ。 そんなもんだからその日の状況を考えて数を調整したりできなくてよ、天気や気温の急な変化で客足が減るとダダ余りになっちまって、閉店後に三人で食ってんだよ」

「羨ましい!!! 俺も呼んで下さいよ!!!?」

「あぁ、わかったわかった。 で、だ。 メニューに載せている以上、作らない訳にも行かない。 そこでふたつの案が出てるんだな。 ひとつは、もうメニューからすっぱり消してしまうこと。 マスターの負担も減るし、材料を無駄にしちまうこともなくなる。 ただ……」

「えぇー!!? あそこでお茶しながらケーキ食べるの大好きなんですけど!!?」

「……というお客さんも確かにいる訳で、そこを無下にしたくないってのがマスターの心意気でもある訳よ。 それに、マスター自身がメニューに思い入れもあるらしいしな。 そこで第二の案として出たのが、ケーキの味の改良だな。 マスター自身が腕を上げるか、もしくはどこかのスイーツ店から仕入れようかって話になってるんだよ」

そこでようやく、虎鉄への依頼内容がわかった。

「なる程、それで『星見町から標先中央くらいまでで一番ケーキの美味い店』になるんですね? 仕入れるなら、そんなに遠くじゃ無理ですもんね?」

「そういうことだ。 で、お前のケーキ好きはマスターも知ってたし、ちょっと聞いてきてみてくれないか?と暇持て余しの俺に白羽の矢が立ったって訳」

「ふむふむ……そうですねぇ……じゃあちょうど名前が出ましたし、まずはウサ山さんに連絡を取ってみましょうか? 仕入れじゃなくマスターの腕を上げるという方向なら、ウサ山さんに話を聞いてみるっていうのもひとつの手じゃないですかね?」

「おぉ、マジか!? 確かに、あそこのケーキは俺でもすげぇ旨いってわかるくらいだったもんなぁ!? わりぃ、ちょっと聞いてみてくれるか?」

了解です、と携帯電話を取り出すと、さっそく教えてもらった番号をコールしてみる。
営業時間中だろうし応答は無理かもとメールに切り替えようとしたが、相手はすぐに電話口に出てくれた。

『もしもし、鉄ちゃん?』

「あ、すみません……! ウサ山さん、今大丈夫なんですか……?」

『うん、ちょうど休憩中だったからね。 それで、俺に何か用かな?』

相変わらず、虎鉄に対してのみの優しい口調を聞かせてくれる諫山さん。
これが他の人物だと全く喋らないので、彼に電話をする者が虎鉄くらいしかいないのだ。
そりゃ携帯電話が鳴りだしたら、大きな耳でそれを察知すると同時に調理場を柳葉君に一任してロッカールームへ直行する訳である。

虎鉄が事情を説明すると、ちょうど良かったと諫山は頷いた。

『実はね、俺も鉄ちゃんに用があってそっちに、標先に行く予定だったんだよ』

「え、そうなんですか!? いつ頃です!?」

『まだ詳しい日程は決めていなかったから、鉄ちゃんに合わせたいんだけどどうかな?』

虎鉄は自身のシフトを思い浮かべる。
三連休を思いがけず貰ってしまったため、明日よりの六連勤を自身で決めていた。
大鉄君を抱っこしつつ通話口を肩で押さえると、ナギにお伺いを立てる。

「ウサ山さん、ちょうどこっちに来るみたいなんですよ。 で、俺の休みに合わせてくれるっていうんですけど、マスターはどうですかね? 明日から六連勤なので――」

「……ってことは、ちょうど一週間後だな? ちょい待ってくれ、マスターに聞いてみるわ」

ナギも素早く携帯電話を取り出すと手短に相手と会話をし、すぐに視線をこちらにくれつつ指で丸を作ってくれた。
諫山にも同じように提案してみると、彼もまた了解の返事をくれた。

「……にしても、俺に用って何です?」

『それは、会ってから話すよ。 ちょっとしたサプライズのつもりなんでね』

小首を傾げつつも、彼の楽しげな物言いに虎鉄もまた心を弾ませてしまう。
結局、その日に諫山とマスターを引き合わせつつ、互いの目的を達成してもらおうと話がついた。
無論、引き合わせ役の虎鉄もその場に不可欠なので(と言うか虎鉄がいないと諫山がまともに受け答えをしてくれなさそうなので)、その日も大鉄君をナギが預かることでまとまった。

ナギと手を振り別れると、どうやら通信回復待ちであったらしい町内会長から着信があり、赤ちゃん抱っこバンドを見事発見してくれたそうだ。
虎鉄は初とも言える感謝の言葉を会長に述べ、すぐに待ち合わせ約束の公園へと向かった。


住宅街にある児童公園は、広さも比較的あり緑も豊富だ。
木陰のベンチを見つけると、虎鉄はそこに腰を下ろす。
大鉄君はまだまだ寝足りない様子だったので、頭を撫でてやると静かに携帯電話で連絡を取る。
お相手は、変に心配させてしまった土地神様である。

『……なる程、そういう状況だったんだね。 なら、その大鉄君お預かりの役目、僕も参加させてもらってもいいかな?』

てっきりまた憐憫のお言葉を頂くと思っていた虎鉄は、その提言に驚いた。

『虎鉄君のシフトは不定期だが、基本は週休二日だろう? 週に五日もナギ君一人が預かるより、ローテーションを決めて僕も参加した方が負担も随分と減るだろうからね』

「確かにそうですけど……でも、源司さんに赤ちゃんお預かりまでお願いしてしまったら、それこそ他の町民の皆に示しがつかないんじゃないでしょうか……? 源司さんはお友達ですけど、同時に土地神様である訳ですから。 じゃあうちの子も預かってくれ、とか誰かに言われちゃわないかと……」

『フム、友人として頼ること自体を否定しなくなってくれたのは嬉しい限りだね』

楽しげな源司の言葉に、虎鉄は少しばかり頬を染めた。

『でも、そうだね……では少し遠回りとなってしまうけど、出社前に僕の家に寄ってもらうのはどうだろう? 虎鉄君は鳥居を抜けられるから、僕に大鉄君を預けるところは他の誰にも見られる心配がないし、僕はそのまま鳥居を通って弟達の旅館へ移動、そこでキミの就業時間までお世話をするから』

なる程……それなら他の皆に見られることもないし、源司さんの評判を落としてしまうこともない。
加えて源司さんの家は、にろさんのマンションと同じ方向だ。 出社前と帰宅前にそちらに寄ってにろさんのお世話をすることもあったし(特に退院後しばらくはそうしていた)、遠回りではあるが然程苦になる距離でもない。
虎鉄は一人納得すると、ではすみませんがお願いします、とベンチに腰掛けながら頭を下げた。

『そうそう、今の話は茶道寺君とタン君にもしておいた方がいいんじゃないかな? 茶道寺君は忙しくて無理だろうけど事情は知っておきたいだろうし、タン君は比較的自由だから大鉄君お預かりローテーションに参加したがるだろうしね。 特にタン君は、教えないでいるとむくれてしまうかもしれないよ?』

そう悪戯っぽく笑うと、源司は『ではね』と通話を切った。
あまり多くの人に迷惑をかけたくはなかったが、確かに自分で置き換えると、いつものメンバーの一人が何かに困っていて、そのお助けメンバーで自分だけが外されていたら相当にショックである。
対外的な目は気にすべきところもあるが、土地神であれ武道家であれ、元殺し屋であれ運送屋兼神官であれ、皆自分にとって同じ大切な友達だ。 そして、頼り頼られをし合っていい仲間なのだ。
それは、先もナギ自身が言ってくれたことである。

虎鉄はすぐに二人にも連絡を取り、茶道寺はやはり時間がなかなか取れないが、今回の激ヤセ虎鉄への食事提供のように時間があれば文彦と手伝わせてもらうと言ってくれた。
そして師範は――

『……すみません、ちょうど昼食の買い物に出ていてしまって。 勿論、そのローテーションには参加させていただきます!!』

冷蔵庫の中身は全て虎鉄への料理制作に使い果たしてしまっており、元々本日の調理分を買いに出る予定であったそうだ。
すみません、と虎鉄は謝るも、師範はいたって楽しげにいえいえと答えてくれた。
一緒に、ベビーカーや赤ちゃん抱っこバンド(師範も正式名称は知らず)も探してくれるとのことであった。

「でも幸志朗さん、赤ちゃんの世話とか大丈夫ですか? まぁ自分も経験なんてまるっきりなんで、あまり人のことは言えませんけど」

『ハハハ、お任せ下さい! 武道家と言えば赤ちゃんのお世話、赤ちゃんのお世話と言えば武道家と言う程、ふたつは切っても切れない関係にありますからな! 少しの力ですぐに怪我をしてしまうか弱い赤子を世話することで、繊細な指の動き、手の動きを学んでゆくのですよ!』

そんな物言いを、ウサ山エピソードでも耳にしたぞ師範!
虎鉄は「なる程、そうでしたか!」などと感心しているが、結局甘いもの大好き宣言をしていながらアップルパイひとつでグロッキーとなったことからもおわかりのとおり、師範は赤ん坊の世話など全くもっての不得手である!

だが、彼には勝算があったのだ。
そう、新郷クンに丸投げしようと画策していたのだ(ちょっとは手伝ってみるけど)!!!

「じゃあ、休日の特別指南もどうしようか悩んでいたんですけど……?」

『えぇ、皆の相手をしている間は、手の空いている者が大鉄君?の世話をするので問題ないでしょう。 新郷君も四人組も、他の団員達もこてさんに手合わせしてもらえることを楽しみにしておりますからな。 そこは是非、今までどおりにお願いしたいですね』

結局互いに、ではお願いしますと頭を下げ笑い合い、通話は終了した。
本当に自分は仲間に恵まれている、そう心を満たしつつ快晴の空を眺めていると、ようやく十分な睡眠を終えたらしい、胸に抱かれた愛らしい弟がもぞもぞと動き始めた。

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目を開けた最初は虎鉄、というより虎獣人に驚いたらしく、随分呆然としたので泣き出してしまうのではと肝を冷やしたが、どうやら好奇心が勝ってくれたらしい。
小さな手を虎鉄へとしきりに動かし、虎鉄が顔を近付けると虎縞や鼻を楽しげにぺちぺちと触った。

やばい……めっちゃ可愛い……!!
同性愛者の虎鉄ではあったが、獣人赤ちゃんの魅力に初めて触れ、その愛らしさに目がくらむ思いであった。
悔しくも、この機会をくれた母にちょっとだけ感謝の念を抱いてしまったり。

……それにしても、本当に泣かない子だ。
虎鉄としては、赤ん坊のイメージと言えばぐずったりワンワンと泣いたりが強かったため、正直驚きである。 普通の赤ん坊ならおむつは勿論、お腹が空いたりちょっと眠いだけで泣いたりするのではなかったろうか?
そんなことを考え、ふと気になる。

大鉄君、お腹空いていないのかな……?
自身のマンション前に置かれたのが何時頃かわからないが、発見してから今に至るまででさえ結構な時間が経過している。
お腹は空かないまでも、喉は渇くのではないだろうか……?

手にしたバッグを開け、中から哺乳瓶を取り出してみる。
触れると生暖かい、出て来る前に温めた乳幼児用ミルク(紙袋内以外にも、なぜか自室台所にしまってあった)を保温シートに包み持って来たのだ。
虎鉄に興味津々だった大鉄君の目は、手にした哺乳瓶へと視線を移動させる。
試しに口元へと持っていくと、瓶の先端を小さな両手でつかみ凄い勢いで飲み始めた。

やっぱりお腹空いてたんじゃない……!!!?
泣かない、って言うか自己主張しないにも程があるよ……!!!!!
大物すぎない!!? ってか大丈夫なのキミ、赤ちゃんとして!!!!?

あっという間に哺乳瓶一本を空とし、満足したのか随分とご機嫌そうである。
逆に虎鉄はドキドキだ、おむつも食事も全く意に介さずぼーっとしているくらいの子なのだ、こちらで時間を把握して定期的に見てあげねば一大事になりそうだ。

背中をポンポンしてゲップを出させてあげ、ゆっくり揺らしたり高い高いをしてあげたり、新鮮な空気の中で自身の人生に訪れることなどなかろうと考えていた赤ん坊との戯れに興じていると、ようやく遠方より猪突猛進とは程遠いゆっくりぶりで町内会長がそのメタボリックな姿を現した。
まぁ、メタボリックに関しては虎鉄自身もそうなので、下手に突っ込むのは止めておく。


「……それって、結構危険だぞ?」

赤ちゃん抱っこバンドを授かり、大鉄君の泣かないっぷりを苦笑交じりに話すと、町内会長は妙に深刻な顔つきでそう口にした。

「まぁ、確かに自分もミルクをあげる時間なんかは気にしないとマズいなぁと気付きましたけど」

「それもそうだが、もっと深刻なのは病気や体調不良だ」

その言葉に、ようやく虎鉄も「あっ……」と小さく声を上げる。

「赤ちゃんってのは、泣くことでしか自分からの意思表示ができない。 おしっこを、ウンチをしてしまった。 お腹が空いた。 眠たい。 だがそれ以上に重要なのが、お腹が痛い。 何か身体がおかしい。 そういった報告だよ。 赤ちゃんがどうしても泣きやまず、不審に思って病院に行ったら……っていうケースだって少なくないからな」

「そうか……確かにテレビか何かで、妙に泣きやまず調べてみたら熱があったなんて話を耳にしたことがありますね……」

気をつけます、と口にしつつ、源司が赤ちゃん預かりローテーションに加わってくれて本当に良かったと内心胸を撫で下ろした。
体調に関しては、大鉄自身が訴えてくれなければ男連中には少々荷が重い。 だが、たとえばパイドラにバイタルチェックをお願いすればこの問題はクリアできそうなのだ。

自分だけえこひいき的に彼らのスキルを利用できてしまうことに申し訳無さを感じつつも、変に遠慮しているとまた皆に怒られそうだと、虎鉄は苦笑交じりに自身を納得させた。

「にしても、本当に随分とおとなしい子だなぁ? 見知らぬ、しかも自身の親と違う獣人を目にしたら、大抵の赤ちゃんはビックリして泣き出すんだがなぁ?」

そう町内会長が大きな鼻先を近付けると、やはり大鉄君は興味津々で手を動かし、左右の牙にも小さな指先を触れさせる。
会長自身も随分と関心を持っていたようなので、「抱いてみます?」と振ってみると……

「仕方がないなぁ、では赤ちゃんのあやし方を教えてやるとするか」

そんなセリフを言いながら、にっこにこ顔で大鉄君を抱き上げた。

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「おぉ、こりゃ随分と重いなぁ? この子は将来、本当に大きく育つぞ? ミルクも随分と飲むんじゃないか?」

「ですねぇ、哺乳瓶一本を一瞬で飲みきっちゃいましたし」

「それでは足りんかもしれんぞ。 もっとおちちをやらんと」

「やらんとと言われても、一本分しか作ってきていないんですよ」

「何を言っているのだ、キミの大きなおっぱいから絞り出せば良いではないか? こう、ぎゅうっと絞ったら出てきそうじゃないか? ぴゅぴゅっと?」

「いやいや、マジで意味分かんないんですけど? おっぱいとかじゃないですから。 逞しい大胸筋の塊ですから」

「いやいや、そのお腹でそんなこと言われても説得力ないだろう?」

「いやいやいや、自分こう見えて昔は結構マッチョでしたし。 お腹はまぁ認めなくもないですけど? 胸から腕にかけては筋肉ですから。 て言うか、それならむしろ町内会長の方がおっぱいですよね? ほら、せっかくですから大鉄君にそのままおちちを飲ませてあげてくださいよ? こう、ぴゅぴゅぴゅっと」

「いやいやいや、それこそ意味わからん。 この胸こそ筋肉の塊だから。 おっぱいとか、本当何言ってんの?って感じ」

「いやいやいや、そんなお腹で言われましても説得力ゼロですよね?」

「いやいやいやいや、まぁお腹がちょっとモニモニしていることは認めんでもないぞ? だがこの大胸筋に関しては、おっぱいとか本当にありえんから。 何だったらホレ、好きに揉んでみると良い。 あまりの逞しさに尻尾もげるぞ?」

「いやいやいやいや、尻尾もげるの意味わかんないですし。 むしろ町内会長こそ、自分の胸を揉んでみてはいかがです? その筋肉の塊たる触り心地に、牙の片方だけが下向きに変わりますよ?」

「いやいやいやいや」

「いやいやいやいや」


買い物を終えた師範が、電話で聞いた児童公園へとやって来た。

「(……さて、こてさんはどちらに……?)」
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え!? ナニ!!? どういう状況なのコレ!!?
ちょ、町内会長……!!! え!? まさか……!!?
町内会長と……!!!? こ、ここ……

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「こてさぁああああああああん!!!!!!!」

「あ、幸志朗さん? どうされたんです?」

のんけもワールドは相も変わらず、深刻なツッコミ不足であった。



さて、それから皆による大鉄君保育計画が発足し――

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あれやと言う間に月日は流れ――

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――半年が経過した。


標先中央駅、10番ホーム。
周囲に人影のないその場所に、体格の良い男達がごちゃっと集まっている。
虎鉄を始めとする、大鉄君保育計画に携わった面々である。

そして彼らの正面、その大鉄を彼らより渡してもらい優しく抱きしめる男女。
女性は、このメンバーでは虎鉄と新郷が知っている人物。 そう、大輔の母である。
一方の男性は二人も初めて会う人物で、四十代前半くらいに見える。 大きな角を左右に伸ばした、虎鉄と然程変わらぬ身長に均整の取れた逞しさを備えた水牛の獣人であった。

二人は改めて正面を見据え、大鉄をこの半年間世話し続けた全員に深々と頭を下げる。
彼らの横に立った大輔が、平手を向けて二人を紹介する。

「大鉄を引き取ることになった、俺の母さんと――」

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「こっちが母さんと一緒に面倒を見てくれる、柴田 蓮司(しばた れんじ)さんです」

そう、彼が大輔の話していた旅館の板さんであった。

「……皆さん、半年もの間、本当にありがとうございました。 虎鉄さんには、本当に元夫が大変なご迷惑をおかけしまして……何とお詫び申し上げれば良いやら……」

「これからは私と女将さんとで、責任を持って大鉄を育てていきます」

そして再び、二人並んで深くお辞儀をする。

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「「大鉄ぅうううううううう!!!!!」」

彼との別れに皆が涙を浮かべる中、一番懐かれていた新郷と、意外にもナギが号泣してしまっていた。
どうやら元殺し屋さん、案外とこののんびり屋さん大鉄君がお気に入りであったらしい。

「二人共、今生の別れって訳じゃないんですから」

そう言いつつも、やはり寂しさは拭いきれず虎鉄もまた視界をうるませる。

「えぇ、皆さん。 いつでも大鉄に会いに来てやって下さい、大歓迎ですから」

「その際には、私も腕によりをかけ食事を振る舞わせていただきます」

大輔ママは話に聞くキレっぷりなど微塵も感じさせぬ柔らかな笑顔を見せ、板さんこと柴田さんも男らしく精悍な笑顔をくれた。
大鉄君は板さんに抱かれているが、その大きな角に興味津々であるらしかった。
やはり、同じ牛獣人で思うところもあるのだろう。

――この半年間、水面下では着々と話が進んでいた。
大輔母と虎鉄父・鉄志が互いに連絡を取り合って話をし、志崎が交渉役を引き受けた。
相手取ったのは、当然大鉄の生みの親たる二人である。

大鉄にとって、彼の将来にとって、何が最善であるかが話し合われた。
結果、大輔の母が大鉄を預かり、営む旅館で彼を育てていくことが決まったのだ。

ただし、女将である大輔母一人での子育てはやはり難しい。 そこで名乗りを上げてくれたのが、板さんとして長く旅館で働いている柴田さんであった。
彼は、もし大鉄が大きくなってそれを望んでくれるなら、養子縁組をしたいとさえ言ってくれたのだ。

そして大輔母は、旅館の支配人という将来、板前という将来、それらにこだわらぬ本人が望む将来、多くの選択肢を大鉄にあげたいと語ってもくれた。

当然産みの親達は不満顔であったが、交渉役の志崎がぐうの音も出ない程に論破したらしい。 有能マネージャーは、どの分野でも有能極まりないのであった。

ただ、最終決定権は全て大鉄に委ねられてもいた。
養子縁組についてもそうだが、実の両親についても彼が十分な判断が可能な年齢となった際に打ち明けられることとなっている。
産みの親とも、普通に会わせる。 その上で、自身でその後の人生を決めてもらおうと結論付けられた。

大鉄君にとっては大変な決断だろうが、彼ならきっと乗り越えてくれるだろう。
そして、自分にとって一番の選択を導き出してくれるだろう。
半年間、彼と共に過ごした皆が、そう確信していた。

別れ際、大鉄がきょとんとしたままの顔を皆に向けた。
可愛らしい小さな手をパタパタとさせながら、彼は満面の笑顔を見せる。

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「……ぱぁ……!」

それは、小さな大鉄君の随分と早い第一声であった。
『パパ』。 そう言ったように聞こえ、ナギと新郷は公共の場であることなぞ知らんとばかりに大号泣した。

三人を乗せた特急電車が、京都に向けて旅立っていく。
今度皆で京都に行こう、その場の誰もが当然のようにそう決めていた。
だからこそ、やはり頭に浮かべる言葉は「じゃあね」ではない――

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またね、大鉄君



遠くに消える電車の姿を最後まで見送ると、涙を拭ったナギが首を傾げた。

「……で、何で大輔がこっちにいるんだ? 一緒に京都に帰んねぇの?」

その台詞に大輔がニコリと笑い、虎鉄が皆の背中をぐいと押す。

「さてさて、本日はもう御一方こちらにいらっしゃいますからね。 6番線へと移動しましょう~!!」

全員が頭にはてなマークを浮かべる中、移動した先に電車がやって来る。
数名が降りてくる中、ハンチング帽を目深に被ったサングラスの長身男性がその姿を現した。
驚いたのは、ナギタン&源司さん。 特にナギタンは絶句状態であった。

「いらっしゃい!」
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「ウサ山さん!」

「……え? 何でウサギのオッサンが来たんだ? 観光か……?」

「いえいえ。 ところでナギさん、カフェ・ジョージヤの改築工事はもうすぐ終わるんですよね?」

突然の話題転換に、ナギは混乱するばかりである。

「は……? あ、あぁ……先月から縮小営業だったが、今週末には工事完了って聞いてるけど……?」

「では、そのカフェ・ジョージヤに行きましょうー!!」

事情を承知の虎鉄・大輔・諫山以外の全員がはてなマーク大増殖のまま、皆で星見町行きの電車へと移動した。


――時は、半年前に遡る。

扶桑市よりやって来た諫山を標先中央駅にて迎えた虎鉄は、ジョージヤマスターの待つ駅地下のフリーテラスへと彼を案内した。
マスターは既に三人分の席を確保し、飲み物も三人分用意しておくとこちらに気付き頭を下げる。

虎鉄は二人の間に立ち、互いの紹介を買って出た。

「はい、マスターさん。 こちらがケーキ屋『きとのや』のパティシエさん、諫山圭吾さんです」
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「で、こちらがカフェ・ジョージヤのマスターさんで……えぇと……そう言えばマスターさんってお名前、何ていうんでしたっけ? 自分、もしかしたら知らないかもです」

「あぁ、確かに言っていなかったな。 道明寺だ、道明寺 徹(どうみょうじ とおる)。 本日は、宜しくお願いします」

マスターはそうお辞儀をし右手を伸ばす、諫山もその手を取り握手をしてはくれたのだが……

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「(……何でほくそ笑まれたんだろう……?)」

どうやらナギに聞かされていたとおりの人物であると、マスターは改めて確認した。

「さて、ではどちらの要件から先に行きましょうか? そもそも、ウサ山さんの目的もまだ知りませんけど?」

「そうだね、俺の要件はひとまず置いておいてくれていいよ。 まずはマスター君の要件から行こう。 ちなみに、ひょっとしてだが彼と俺の年齢って近くないかな?」

うわ、すげぇ……!
本当に店長君にだけベッラベラ喋る……!!
表情はそのままに、心の中で突っ込みまくる。 接客業従事者として満点のマスターである。

「……確かに、ウサ山さんとマスターさんって同世代っぽく思えますね。 マスターさんの年齢って、聞いてもいいです?」

「ん……? あ、あぁ……構わないよ。 46歳だ」

「現在46歳……既に誕生日が来ていてですかね?」

「いや、今年の誕生日で47歳だ」

「じゃあ、ウサ山さんのいっこ上になるんですかね?」

「生まれ年ならひとつ上だが、学校なら同学年だね。 ほら、俺は早生まれだから。 そういう訳で、彼さえ良ければ普通に敬語なしでどうだろうか?」

「そうですね、ではお言葉に甘えて」

……まぁ、諫山氏は基本全て店長君に話しかけているのだから、あまり意味ないですけどね。
そう言いたかったが、今から教えを請う相手であるのでマスターはそれらの言葉をコーヒーと共に飲み込んだ。

「では早速だが、まずは俺が作ってきたケーキを食べてみてくれ。 ちなみにひとつ、柳葉君が作ったものも混ぜてあるよ」

柳葉の説明をマスターにしつつ、彼の手にした箱を開けると虎鉄は感嘆の声を上げてしまう。 無論、隣で箱を覗き込むマスターも同様だ。

「うわぁー!! めっちゃ綺麗だしめっちゃ美味しそう!!! ギバちゃんが作ったのは、このレアチーズタルトかな?」

「お、よくわかったねぇ? 見た目も奇麗だし味も私の作るものと遜色なかったから、食べた時には厨房を任せられる日も近いと笑みをこぼしてしまう程だったんだけどなぁ?」

事前に、虎鉄はギバちゃんより電話をもらっていた。
何でも、超自信作だったレアチーズタルトを食べた師匠の反応が微妙だったそうで、鋼の心を持つ彼にしては珍しく落ち込んでいたのだ。
そのため、「え、そうなんですか……?」と小首を傾げてしまう。

早速マスターと全てのケーキを半分こし合い、パクリパクリと食べてみる。
そしてその味に、二人が頬を染め舌鼓を打った。

「んん~~!!! やっぱりウサ山さんのケーキ、ギバちゃんのも勿論だけどめちゃめちゃ美味しい~!!!」

「……本当に驚いた……。 これ、たとえばクリーム、バニラエッセンスをあまり入れてないだろう……? スポンジにしても、バターの量が随分と少なく思える……なのに、味自体のインパクトがこんな大きく……?」

「ふむ。 ではマスター君のを食べさせてもらおうか?」

珍しく諫山がマスターに直接問いかけたので、どきりとしつつも事前の打ち合わせどおり持ってきた自作のケーキをおずおずとではあるが披露する。

「……このケーキの後だと、流石に厳しいのだが……」

そうマスターは汗を掻きつつ頭も掻いたが、虎鉄は実に楽しげに諫山とやはり全てのケーキを半分こにし合って食べてみた。

「うん! やっぱりマスターさんのケーキも美味しいですよ!! オーソドックスではありますけど、その分余計な飾り気がないっていうか!」

「そうだね。 基礎は出来上がっているようだが、全て独学で?」

「あ、あぁ……うん。 料理自体は元々の趣味で、前職の相棒がそれを随分と気に入ってね。 転職してカフェを開きたいとか言い出して、引っ張り込まれた口なんだよ」

「へぇ~! それで出来たのが眼帯カフェなんですか!」

「眼帯カフェ……? あぁ、まぁナギ君は元々眼帯だったし、樹さんはお遊びで付けているがね……私のはその相棒が付けていたもので、遺品として何となく付けていただけなんだよ」

「え……遺品……? ご、ごめんなさい……そういう事情、全然知らなくて……」

落ち込んでしまった虎鉄に、マスターは構わないよ、と手をひらつかせる。
正面に腰掛ける諫山の視線が物凄かったというのも、まぁあったのだが。

「店のメニューも、その相棒と私とで決めたものだからね。 新作は増やしても、今あるメニューはできるだけ減らしたくないというのもあってね……」

なる程、ナギさんの言っていた『マスターのメニューへの思い入れ』というのがこれだったんだ……。
虎鉄はそう納得すると、諫山にお伺いを立ててみる。

「どうです、ウサ山さん? マスターさんの『ケーキの味改良計画』は?」

「……そうだね、これだけの基礎が独学で出来ているなら、スキルアップにかかる時間はそう長くはない筈だ。 付きっきりで教えれば、2~3週間といったところだろうか?」

「「え、本当に!!?」」

見事にハモった。

「……で、でもウサ山さん、付きっきりってどうするの? 扶桑とこことじゃ、行き来だけでも相当かかるよね?」

「そう、そこで俺の要件が出てくる訳だ。 ほら、柳葉君の技量が厨房を任せられるくらいと話したろう? そこで、こちらに『きとのや星見店』を開業しようと思ってね」

「きとのや星見店!!!?」

「うん。 鉄ちゃんのために作った店っていうのが本来だからね、鉄ちゃんの住む町に店を出そうと思ったんだよ。 そこでこちらの不動産関係をまずは見たくて、鉄ちゃんにいろいろと案内してもらおうと思ったのが俺の要件だ」

そう、ウインクを見せる諫山氏。
とんでもないサプライズに、虎鉄は嬉しさ半分驚愕半分となってしまった。

「じゃ、じゃあひょっとして……本店の厨房がギバちゃん……!? 接客は!?」

「そこは加瀬に、そのままやってもらう。 あと数人スタッフを募集して、経営はアイツに任せるつもりだ。 加瀬本人もきとのや設立理由はもう知っているからな、諦め半分なのだろうが了承してくれている」

「えぇと……じゃあこっちには……?」

「俺が来る、ただスタッフはどうしようかと悩んでいてね。 そこも接客業の鉄ちゃんに相談したかったんだよ。 俺がある程度先にケーキを作ってしまって、店頭に立ってもいいんだけど」

絶対ダメ!!!!!
ギバちゃんの話を聞く限り、最も店頭に立たせてはいけない人物である!!!
無論それらは口にせず、どうでしょうねぇ……?などとお茶を濁す。

それにしても……と、虎鉄はこの妙な符号に思わず声を漏らしてしまった。

「何だい?」

「実は、大ちゃん……俺の義兄からも同じような相談をされたんですよ。 マスターさんはもう御存知ですけど、家庭内でちょっとしたトラブルがありましてね。 で、義兄も京都じゃなくこっちにいた方が良いかなぁと悩んでいる際に、勤めている鯛焼き屋さん、『あさき』っていうんですけど、そこの店長さんがちょっとした考えを話してくれたそうで」

「『あさき』って、京都の薄皮たい焼きで有名な?」

「そうですそうです、マスターさん知ってるんですね」

「その店なら、俺も知っているな。 随分な老舗だろう?」

「えぇ、でも店長さん御自身はあまりそういう伝統に縛られないタチみたいです。 で、こっちの物産展に三年連続で出店しているんですけど、毎年凄い行列なんですよね。 それで、こちらに支店を出して常時販売する形式にしても、かなりの売り上げが見込めるんじゃないかって。 その支店長に、義兄を推してくれたんだそうで。 どうしよう?って相談されたんですよ」

「……なる程ね。 現地スタッフに不動産、確かに悩みポイントは同じだね。 鉄ちゃんもマスター君も、何か良い物件とかを知らないだろうか?」

「そうですねぇ……大ちゃんに相談されて、仕事の合間にちょこちょこと調べてはいるんですが……」

「物件……スタッフ……」

一緒に悩んでいたマスターが、何やら妙な表情を見せる。

「……? マスターさん、どうしました?」

「いや……実はね、ウチの……カフェ・ジョージヤの改築を少し考えてもいてね」

「改築? あのお店の? 何でまた? あの建物、そんな老朽化もしてないですよね?」

「キャパシティ的な問題でね。 以前は私一人で切り盛りしていたしそれでも十分だったんだが、今はナギ君と樹さんの三人体制で、加えて最近は随分とお客さんも増えた」

確かに、と虎鉄も店の状況を思い浮かべる。
以前は昼時でも全ての席が埋まったりはしない、ゆったりのんびりとしたオープンカフェというイメージであった。
だが最近では、朝の時間帯でも席が埋まっているのを見かけたりする。 従業員三名ともが眼帯装備、加えてナギ&マスターの男臭さに土地神様にクリソツの樹。 興味本位で来店する人も多いだろうし、料理は比較的お手頃価格の上に味は一級品。
人気の出る要素は、確かにてんこ盛りなのだ。

「……あれ、でもナギさん『暇を持て余している』とか言ってましたよ?」

「そう、そこが『キャパシティ問題』なんだよ。 ホールスタッフは樹さんが優秀すぎて一人で全てこなせるんだが、キッチンが手狭で私一人でいっぱいになってしまう。 多くの注文を受けてもさばききれないし、私の味をほぼ完璧に再現できる樹さんに手伝ってもらおうにもキッチンに入れられない」

あのセクハラ大魔王、本当に万能だな……

「加えて、元々の席数もそう多くないから、結局お客さんが諦めて帰ってしまうケースも最近では出てきてしまっていてね。 それなら店舗の敷地的にはまだ余裕があるし、席数をもっと増やして店自体ももう少し大きく改築して対応できれば、改築資金を補って余りある収入増加を見込めそうかなぁ……とね」

「なる程……その改築って、いつぐらいから始めようと考えているんです?」

「もし良かったら、だけど、改築の着工は諫山君と店長君のお義兄さんとの話し合いで決めてもいい」

口元を綻ばせてのマスターの言葉に、虎鉄と諫山は視線を合わせ互いに驚く。

「敷地面積的には、三店舗分を横並びに配置するくらいなら可能だ。 加えて、二人の出店資金を改築工事の費用に一部持ってこられるなら、厨房もそれぞれかなり納得の行くものにできると思う。 そしてスタッフ、ここも現状ジョージヤスタッフが持て余し気味だから、互いに連携し合えば新規で雇うことなく回せるんじゃないかと思うんだ。 諫山君や、特に老舗のあさきさんがこの複合店舗に納得してくれれば……だがね?」


そうして半年後、つまり本日。
大輔と諫山を迎え、着工中だったジョージヤ店舗のブルーシートが外された。
そこに掲げられたみっつの看板に、ナギは思わず顎を外した。

そう、カフェジョージヤは……
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こうなったのである!!!

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「えぇえええええええええええ!!!!!!?」

その驚きぶりに、サプライズが成功したと虎鉄は満面の笑みを浮かべ解説する。

「はい、そんな訳でしてね。 扶桑市元町の隠れ有名ケーキ店『きとのや』と、京都の鯛焼き店老舗『あさき』が、星見町に支店をオープンすることと相成りましたー!! マスターさんの御厚意で、三店舗がここに集結!! その名も『スイーツ&カフェ ジョージヤ』!!!」

ババーン!

「ではでは、この三店舗全ての共通知人ということでワタクシ・大河原虎鉄がご紹介してまいります!」

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「拡張したジョージヤ厨房には今までどおりマスターさんが入り、軽食とドリンクを担当。 販売形式も今までどおりで、席についたお客様からオーダーを頂き、出来上がったメニューを席へと運びます。 ケーキも今までどおり取り扱いますが、それはお隣に行きます」

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「中央の店舗『きとのや』は、カフェとは別で店頭に並んで購入してもらう形式となります。 ウサ山さんの作ったきとのやケーキの販売がメインですが、ウサ山さん指導のもとで美味しさレベルアップを予定しているジョージヤ特製ケーキもこちらの店舗奥に作られた調理場の業務用冷蔵庫で保管します。 また、店頭にも数点お出しし、並んだお客様も購入できるようにします。 ウサ山さんは基本的には調理場にてケーキ制作に専念、きとのやカウンターにはナギさんに入ってもらえればと思っております」

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「鯛焼きは焼きながら販売もできるということで、大ちゃんが店頭で鯛焼きを焼きつつ接客も同時に担当。 こちらも店頭に直接並んでもらい、買って頂く方式を取ります」

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「この三店舗販売体制に樹さんが加わり、ホールスタッフとして幅広く動いてもらい、混雑時にはジョージヤ厨房にも入ってもらいます。 オープンカフェの座席はカフェ用と、きとのや・あさきの利用客が自由に座れる二種を用意。 ここはテーブルの形を大きく変える予定で、樹さんにはカフェの接客と、この自由席の清掃なども行って貰います」

「ちょちょ、ちょっと待て!!? 探偵事務所どこ行った!!!?」

「ふふ、ご安心を。 ナギさんの探偵事務所、閑古鳥の原因も考えたんですよ。 ほら、今までって入り口がジョージヤカウンターの隣、つまり店舗真正面にあったでしょう? 探偵に依頼するっていう性質上、これって逆に入りづらいんじゃないかと思いましてね? そこで店舗の裏側に、椅子とテーブル収納スペース、きとのや調理場、マスターさん住居と並んで事務所を配置しまして、あさきの横からこっそり入れるようにした次第です! ほら、店舗の横に看板が付いているでしょ?」

そう虎鉄に案内されると、確かに店舗横の壁に硬派な看板が設置してあった。
青緑バックに黒文字というナギカラーで、事務所の紹介だけがシンプルに書かれている。

『冴え渡るイヌ科の嗅覚で全てを探りまくります 風凪探偵事務所』

「もっと言い方なかったのかよ!!!!?」

「探偵事務所にお客さんが来た場合は、インターホンがきとのや店頭に直結していてナギさんがすぐに出られるようになっています。 あさき店舗の奥のドアから直接探偵事務所に行けますので、依頼者が来た際にはナギさんは大ちゃんの後ろを通って事務所に行って下さい。 その際きとのや店頭には、まぁちょっと不安な部分もあるんですがウサ山さんが立つ予定です。 これからオープンまでみっちりと、俺から接客のいろはを教えて差し上げますので」

「うん、よろしく頼むよ、鉄ちゃん」

御本人はいたって笑顔だが、彼のヤクザぶりを知っている面々の表情はいたって暗かった。
かかと落とししないだろうな、このオジサン……?

「……と、こんな感じで新店舗『スイーツ&カフェ ジョージヤ』。 ウサ山さんと大ちゃんが本日、引越し先の物件を自分と探しまして来週には転居完了。 ウサ山さんの接客スキル習得とマスターさんのケーキレベルアップに目処が立ち次第、新装オープン予定ですのでお楽しみにですー!!!」

その場に集った大半の者が拍手喝采を浴びせる中、主にナギタンがゲッソリしていた。

大鉄君との感動のお別れなど既に銀河系の彼方。
ナギはこの数分だけで、前身の体毛が真っ白になった気がした。
虎鉄の一番のマブダチと意気揚々と過ごした時間はあっという間に過ぎ、最強お義兄ちゃんと最凶初恋相手が同じ職場にいるという地獄の日々が始まったのであった。

「はい! そんな訳で~……!!!」

のんびり獣道 短編

ウェルカム!

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レッド

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ブル

「これからも、よろしくね~!!!」

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「いやだぁああああああああああ!!!!!!」

おしまい。



――後日譚

そしてオープンから数日後。
『食わず嫌い王決定戦』にサプライズゲスト出演した石藏鉄志の熱い宣伝により、『あさき』と『きとのや』各本店、そしてスイーツ&カフェ ジョージヤは凄まじい混雑を見せ、ナギは生まれて初めて”死ぬ程の忙しさ”を体験するのであった。

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南無三。




はい、そんな訳で超久しぶりののんけも更新でした~。
もう久しぶりすぎて、こてっち達の描き方を忘れてしまいちょっと練習したくらいです(思い出せばスイスイなんですけどね、描きやすい子達ですし)。
本来はふたつだったお話をひとつにまとめた感じの内容でしたので、短編なのに挿絵めっちゃ多くて吐きました。 昔仕様の斜線挿絵になってしまい申し訳ないですが、やはり作業はかなり早く終わりました(というか塗り塗りしていたら野郎フェスまでに終わらなかったかも……)。

今回のタイトルは『レッド・ブル』→『赤ちゃん牛』と思わせて実は『ウサ山さん(赤)&大ちゃん(ブル)』みたいな感じだったのですが、ウサ山さんの目の色で『赤』っていうのがわかりにくいし、そもそも赤ちゃんは『赤』が入っていても普通に『ベビー』と考えるので『赤牛って何だろう?』みたいな微妙な感じになってしまいましたギャギャッス。

まぁそんなトラトラガッカリ伝説は横へと置きまして、こちらもお久しぶりな『本編の蛇足的説明』なんぞを書いていこうかと思います。
絵だけではいまいち伝わりにくかった、各キャラの誕生日シーンです。
元々は入れる予定ではなかった四枚、ですが大鉄君との交流の深さと、半年という時間経過を表現したく急遽入れました。 おかげでめっちゃ時間かかりました(汗) 何に時間がかかったかと言えば、ケーキでしてね……自分、こういう無生物系アイテムがとことん苦手で。 伝わりにくい部分というもの、このケーキですね。 ではでは、レッツ蛇足説明!

☆ナギさんケーキ:こてっちのお手製で、コーヒークリームケーキです。 甘さはかなり控えめで、ほろ苦な感じにしてあります。 そこにチョコで眼帯風のデコレーションをし、マジパンでナギさんを作りました。 マジパンについては自身の誕生日の際に白金山で見た白虎のマジパンが気に入り、以降練習を重ね現在では達人級になっています(笑) ローソクはケーキに穴を開けなくても良い乗せるタイプのものを、マスターがひっそり自作してくれていました。 カフェの閉店後に、皆でお祝いしています。

☆師範ケーキ:こちらもこてっちのお手製。 バニラクリームをふんだんに使い、同じくチョコのデコレーションでこちらは道着の帯風にあしらい『道着ケーキ』にしてあります。 マジパン師範も、やはりこてっち製。 師範はこのケーキにローソクを刺すことを断固拒否、冷蔵庫にあった豆腐をケーキ手前に置き、そこにろうそくを刺しています。
本当は大鉄君を含めてもこてっちと自身の三人で祝いたかった師範、ですが『師範は甘いもの大好き』情報を信じ切っているこてっちは大型ケーキを製作。 嘘がバレてしまうことを恐れた師範は、泣く泣く皆を自宅に招きました。 まぁ予想以上に楽しかったので、師範も満足していますw

☆パイドラケーキ:やはりこてっちのお手製。 源司さんのお誕生日に製作したものよりもさらにこなれて、中身はいちごババロアとオレンジババロアの二段構造になっています。 二種のババロアは、パイドラそれぞれのマフラーの色に合わせてあります。 そして表面に薄緑に着色した生クリームを塗り、木に見立てたマジパン製ローソクを刺して『天狗山ケーキ』を完成させています。 登頂部のマジパン製パイドラも無論お手製で、おめでとう文字入りのチョコ板を持たせてあります。 ドラゴンファミリー全員で、旅館でお祝いしました。 ちなみにこちらは、9月9日の誕生日です。 師範と連続、こてっち太るぞ(笑)

☆新郷さんケーキ:こちらは、美咲ちゃんと降谷パパが購入してくれたもの。 生クリームで囲われた部分に、フルーツてんこ盛りのケーキです。 降谷パパが参加することを知っていたこてっちは、家族水入らずが良かろうとお誕生日参加を遠慮していたのですが、美咲ちゃんに熱心に誘われ大鉄君と参加。 ケーキの代わりに、マフラーを新郷さんにプレゼントしてます(一緒に大鉄君にも作ってあげました)。 編み物技術も向上し色分けも可能となったこてっちは、新郷さんに黄色と黒の『デンジャーマフラー』という親友ならではのブラックジョークマフラーをあげています。 新郷さんも口では文句を言いながら、無論大笑いで受け取りました。 大鉄君が新郷さんの指を舐めているのはちょっとわかりづらいですが、指先に少し取ったクリームを舐めています。 新郷さんマンション宅でお祝いしました。

……とまぁ、そんな蛇足情報でした。
さて、お次はどんなお話にしようかまだ思案中ですが、今年中にもう一回更新は……難しいかなぁ……(汗)
また予定が組み上がって更新できそうでしたら、随時報告させて頂きますので!!

それではまた、次は野郎フェスの直前更新でお会い致しましょう~!!
のんけも | 21:02:22 | Trackback(0) | Comments(12)
コメント
のんけも更新きた!!!!!!!

のんけもある所にケモ雪あり!?(忘れられていな事を祈りつつ)
此方にはまだ誰も書き込んでいないので先陣を切る覚悟で書き込むぜっ!!
テンションは書き込んだ時間で察して下さい
毎回こんなテンションだろと? hahaha...(汗)

感想としての第一声は・・・
大ちゃんパパのDNAは濃いですね非エロのつもりですから
こてっちがんば・・・(リレー的に被弾する新郷、幸志朗さん、源司さんもがんば)

夫婦揃って凄まじい手紙ですね・・・ メチャクチャ血圧上がりそう(メタボを殺す手紙?)

ナギタン妄想のこてっちが少し痩せ・・・ 気のせいか



同時進行でトテツモナイドッキリが進行してますね(笑)
行きたい! 凄く行きたいです!! ナギさんには悪いが物凄く魅力的!!
ただ問題はノーパンマッチョとエロの神(2)が一緒に働いて大丈夫なんですか!!
本当にヤバイのはウサ山さんと樹さんとの絡みなんですが・・・ 物理的に。


今回のMVPはあの親達を言いくるめた有能極まり無い志崎マネージャーと、
獣達の拳を全て受け止めたのんけも界のベイマックスこと、クッションですね(笑)

最後に、更新&ケモケお疲れ様でした!! 寝ます
2017-05-20 土 06:24:00 | URL | ケモ雪(不定形) [編集]
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2017-05-20 土 12:44:50 | | [編集]
のんけも更新ありがとうございます~!!
レッドブル、翼を授ける、のように元気を戴けました!(しまった書いている間にネタが被ったw)2話分位詰め込まれてそうな量の短編!自分にはご褒美な大容量でした。
他の方のコメントにもありましたが、自分も、トラトラさんのシャーペン挿絵がとても好きで、拝見できたのが嬉しいのなんの。なんだろう、久し振りの斜線挿絵だからかそれとも加工の方法が変わられたのかな。絵が優しくなったようにも感じますなあ。中でも、絵での出番が多かったナギさんやディフォルメの新郷が可愛くて、フルウインドウで確認する度にニヤけてしまっております……!

お話もとっても面白かったです~!!開幕、落ち込んだこてっちのマジ泣き絵に吹き出した後、不思議と憎めないお母さんとこてパパへのツッコミに笑わせて頂き、町内会長さんの抱き上げた姿にほっこりして、皆の誕生日の絵にあっという間に半年経ったと驚かされました。
皆、幾つになったんだったんだったろうと過去話や資料集の生歴を確認。37歳で、あっているかなあ。ということは諫山さんとは10歳差という事に。こういう読み直しをして、楽しめたり、飽きが全くこないのは、やはりトラトラさんクオリティですね。ケーキのかき分け説明やこだわりの情報も大好きです。設定を拝見しながら見直すのが楽しい。新郷の誕生日に元気な顔の降谷お父さんも居たのが微笑ましくて、今は一緒に暮らしているのかな、そうでなくても家族三人でいい交流を持っててくれたらいいなあ、なんて。大鉄君、劇中でまた会えるのかなあ。

しかし、『きとのや』だけではなく『あさき』まで星見町に支店ができるとは。距離の為に接点の薄かった大ちゃんや、ウサ山さんが近くなったのがこれからのお話にどう繋がるのか、続きを、とても楽しみにしております。暑くなってまいりましたが、お体にお気をつけて、どうかご無理のでませんように。

ハッ!設定資料集2が出た場合、自分は間違いなく買わせて頂きますぞ~!!本とデジタル版の両方を是が非でも……!
2017-05-20 土 23:52:13 | URL | 大神 [編集]
>ケモ雪(不定形)さん

大丈夫ですよ、忘れておりませんよ~!!

大ちゃんパパ、というかおそらくあの一族のDNAが濃いのでしょうねw パパは未登場ですが、顔はもう大ちゃんそっくりなイメージです。 あそこの勝敗に落ち込むのは、まぁこてっちだけでしょうし他のメンバーは「おぉ、でっかいなぁ」くらいでしょうw

こてっちもいろいろあって少し母親への感情を落ち着けましたが、やはり手紙の内容は血圧上げそう(笑)

新カフェジョージヤの状況はいつか書きたいなぁと思っておりますが、大ちゃんはおそらくセクハラのしがいがないんじゃないかなぁ?とか思っております。 あの人、見られ好きというか見られ&妄想好きという感じなので。
ウサ山さんはこてっちの仲介でのジョージヤ参戦なのであまり問題は起こさないでしょうけど、ケツ揉まれたらどうなるかなぁw

志崎さんもいつか出さねば……そしてよく破けなかったクッション!!(笑)
労りのお言葉も、ありがとうございます~!!


>非公開の狼虎さん

久々の更新です~!!
ウイルスはもう怖くて怖くて、緊急連絡先をメモってパソコンの横に置いてますよ~(汗)

こてママはどうやってこてっちの住居を調べたのか?
大ちゃんと大ちゃんパパとの間には一切の交流がないので、そこからは情報は漏れません。 こてママはこてっちの進学先を知っているので、そこから探りを入れたらそのまま星見町に在住していたのですぐにわかりました。 虎獣人が世間的に珍しいので、ちょっと聴き込めばすぐに場所が割れちゃうんですよ。

おむつ交換時は、どうやってもおちんちんが目につきますからね。
大ちゃんパパも、もちろん巨根です。 外見的には、大ちゃんが完全クローンなんじゃないか?っていうくらいにソックリです(笑)

赤ちゃんの名前、そういえばふりがなを一箇所でも付ければ分かりやすかったですねぇ。 『だいてつ』で合ってます。
二人の間に初めてできた子供なのに、それぞれの息子から一文字ずつ取って名前をつけてしまう適当さに、流石の大ちゃんも獣を開放しましたねw

赤ちゃん抱っこバンドは調べてみて『だっこひも』とか言うのだと知りましたが、あまり可愛くない名前だったのでそのまま『不明』扱いにしました。
新郷さん家も昔はもちろんベビーカーもだっこひももありましたが、引越し&生家処分の際に一緒に処分してしまっているんですよ。 大切な思い出の品でしたが、家と同じで両親の記憶に繋がるものは辛いものが多かったので。

猪瀬町内会長、下の名前も出そうかと思いましたが何か機会を逸しましたw ここも、いつか書きたいなぁ。
背丈……もうちょっと低いイメージを持っていましたが、描いてみるとこてっちよりちょい低いくらいになっちゃいましたね。 180近くありそう……。

降谷パパは、同居などをしているのではなく、新郷さんの誕生日にお呼ばれして桜見町に遊びに来たんですよ。 この日は居間とかで、川の字で寝たりしたのかも。

ウサ山さんの再登場に合わせて、マスターの本名もようやく出せましたw
彼の本名は殺し屋当時のコードネームも合わせてナギ編の際に考えていたのですが、今の今まで出せていなかったんですよね。 結構な古参キャラなのにw
樹さんによるセクハラがウサ山さんに及んだ際のことが危惧されますが、その辺りはいつか描きたいので言及は控えておきましょう(笑)

ナギさんは左右の目の視力差が大きすぎるので、眼帯を外しているときも基本片目はつぶっています。 右目も再生させたら、普段から両目を開けるナギさんになるかもですねw
まだこてっちからマフラーを貰えていないメンツは、新郷さんに凄まじい視線を送りそうです(笑)


>大神さん

皆さん、レッドブルで飲み物を連想されていますねw 書いた本人は、全然気付いてませんでした。 お話、楽しんで頂けて良かったです~!!
シャーペン挿絵、パソコンに取り込んでカラー調整していると「(汚いよなぁ……)」とか思ってしまうのですが、皆さんに温かいお言葉を頂けてホッと胸を撫で下ろしておりますよ~。 加工方法は変わっていないので、描く際の力加減が少し変わったのかも……?

二話分の内容を詰め込んだので何だかギュウギュウになりましたが、その分いろいろと楽しんで頂けたようで何よりでした~!!
こてっちが37歳で合っています。 自分も各自の年齢は資料集片手に確認しながら書いてますw 現実と年代がリンクしていた頃は分かりやすかったんですけどねぇw
降谷お父さんも、少し肉がついて健康的になりましたw 一緒に暮らしてはいないのですが、こうしてしっかりと家族的交流を持てております。 つらい時期が長かった分、降谷パパには幸せになってもらいたいですしね。
大鉄君は、劇中でまた再登場させたいです~!!

大ちゃんも遠方住まいだったためになかなか話に参加させられませんでしたが、これからはひょいっと顔を出せるようになりました。 ウサ山さんと合わせて、今後もっとお話に出していきたいですね!

お心遣い、ありがとうございますー!!
設定資料集、描きたい同人誌のネタが切れたら考えようかなぁ……w
2017-05-27 土 10:35:59 | URL | トラトラ [編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017-05-27 土 15:53:53 | | [編集]
>非公開の狼虎さん

こてっちの一人称、普段のメンバーの前では『自分』から『俺』に変わっております。
皆といろいろあり、茶道寺編の事件から1年経ってますからね。 その間で、心境変化があったのです。 きっと。

大ちゃん家族は本当にそっくりなので、大ちゃんの赤ちゃん時代も大鉄君とそっくりですよ。 のんびり屋さんで全く泣かなかった理由は特に大げさなものでもなく、そのまま『常識外ののんびり屋さん』だっただけですね。 もちろん、バイタルチェックもこまめにしました。

ウサ山さんとマスターの出会いのシーン、似ている絵があるとかではなく加瀬さんとのシーンをそのままシャーペン画として起こし直したものです。 構図も全く同じで展開しておりますし、まさかトレース疑惑的に突っ込まれるとは思っておりませんでしたが……。

こてっちの特別指南役、というかその他もろもろの現状などは、大ちゃんもウサ山さんも知ってます。 大ちゃんとは毎日電話で話していますし、ウサ山さんからも電話番号を貰っているので仕事の邪魔にならなそうな時間に会話を楽しんだりしておりますので。
ただし、ウサ山さんに関しては知らない情報などもあります。 ここは追々、お話で書いていこうと思っております。
接客態度は、こてっちからの指導があるので彼のメンツも考えて暴挙には出ないでしょう。 まぁ、厨房で独り言くらいは出そうですが。

こてっちの変身案件も、皆お話だけは聞いています。
実物は目にしていませんが、この辺も今後書きたいですね。

さて、質問タイムについてですが……。
どこかで書いた気がしていたのですがどこにも見当たらなかったですので、プロフィールに追記させて頂きました。
本編に出てきていない設定に関しては、ご質問頂いてもお答えできません。
出ていない設定は、今後重要になってくるものと『全く考えていないもの』があります。 後者の場合、質問に答えるべくその場で設定を考えねばならず、時間が物凄くかかるのと、後に話に出てくる際に『こういう設定にしなければよかったなぁ』と後悔することもありえます。 自分にとって、デメリットしかないんですよ。
ですので、もし二次創作をするにあたって設定が知りたいという際には、御自身で自由に考えてくださって構いません。 宜しくお願い致します。

お誕生日お祝い、ありがとうございます!!
来年の年賀状はワンコもりもりにするつもりですが、先に言い当てられてしまうとやめてしまうかもですよ~。

お心遣い、ありがとうございます!!
もしかしたら伝わりにくいかもですが、コメントレスにはかなりの時間を使わせて頂いております。 長文で頂けるのは凄く嬉しいですが、その内容の大半が質問だったりすると通常の倍以上の時間がかかってしまいますし、返信をした直後に同量のコメント二度目を頂いてしまうと心が折れます……。 すみませんが、ご考慮頂けると助かりますです……。
2017-06-03 土 15:46:03 | URL | トラトラ [編集]
久方ぶりに来たらのんけも短篇があると思って覗きましたが、最後は安定の終わり方でしたね!
序盤は見ていてハラハラと、どんな展開になるのかと思いましたが、ハッピーエンドになってホント良かったです! あっ、ナギさんにとってはバッドエンドなのかな?

そして遅ればせながら、けもケット6と野郎フェス2017、お疲れ様でした!
2017-06-11 日 12:54:03 | URL | 風煉 [編集]
>風煉さん

10ヶ月ぶりに、のんけも更新しましたw
現実で考えたら相当に厳しい状況のお話でしたが、のほほんとした雰囲気で最終的には普段通りなギャグ寄りのお話でした~。 ナギさん的には、まぁバッドエンドの部類でしょうね(笑)

労りのお言葉、ありがとうございますー!!
2017-06-12 月 10:07:58 | URL | トラトラ [編集]
バッドなミラクルで偶にここに寄らせて頂いて覗いていたのに…
何故かのんけもだけ見落としていた orz

野郎フェスや関けもに頑張っておられるんだなぁ‥と
流し読みにしていたのが原因かと(笑)

精神科に行かれていた追記も読ませて頂きました
いくつもストレスの原因となるのが重なるとホントに辛いですよね

僕は一人暮らしに慣れた今では大分落ち着きましたが
実家暮らしと一人暮らし初期は殆どの事がストレスで毎日が辛かったです

もうストレスの原因が解消されたとのことですが
くれぐれも抱え込まずに、ご自身の事を大切になされて下さいね

レッドブルは他の方と同じように翼を捧げるを思い浮かべる単純脳でした(笑)
とりあえず育児放棄の寄生親に天罰あれです(ガチ)

大鉄くんには大らかに人を思いやれる素敵な子になって欲しいです‥お幸せにね
三店舗+探偵事務所は流石っっっ!!!!となりました

大ちゃんにウサ山さんの二人が星見町に在住してマスターにまでスポットが当たり
ナギさんでオチをつける‥サイコーです!ほっこりしましたっ!!

誕生日絵も素敵でした!!
僕も最近ケーキの絵を描いて…無力感を存分に堪能しました

大分の遅刻コメとなりましたが、改めてのんけも大好きです
またの更新を楽しみにしていますね

無理や頑張り過ぎにご用心とお疲れ様です!!

素敵なお話ありがとうございました!!

2017-08-30 水 23:02:31 | URL | シオン=リュウ [編集]
>シオン=リュウさん

イベント関係の記事が続いておりましたし、いろいろと追記してご心配も随分とおかけしておりましたからね。 でものんけも更新に気付けて頂けてよかったですよ~!!

精神的な病気になったのは初めてで、本当に驚きました。 感情がコントロールできなくなるあの感覚は、もう戻りたくないですねぇ……(汗)
一人暮らしも、慣れない頃はストレスたまりますよねぇ。 自分はむしろ会社から頻繁にかかってくる電話がストレスで、就寝中は電話線を抜いてやったりしましたw

そういえばこてママにも大ちゃんパパにも、これといって罰的なものが与えられておりませんな……離婚はまだしも、今回の件は何かしらのペナルティがあったりした方が良いかしら……。

大鉄君の将来的なものも一応頭にはあるのですが、大丈夫です、そう曲がった道には入りません。 育ての親がしっかりしてますからねw
お話、楽しんで頂けて良かったです~!! 無生物といいますか、小物を描くのは自分も実は大の苦手です(汗) いつもパソコンとかで調べて、基本を押さえながら描いてますよ~。
次の更新がまた未定ですが、続けていきたいと思っておりますので生暖かく見守ってやって下さい……!!

お心遣いと労りのお言葉、ありがとうございますー!!
2017-08-31 木 23:54:14 | URL | トラトラ [編集]
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2017-09-09 土 06:26:54 | | [編集]
>非公開の鳥船 ヌゅさん

初めまして!! コメント、ありがとうございます!!
初書き込みって緊張しますよね~、自分なんて書いては止め書いては止めでなかなか送信できませんでしたもの(笑) 失礼なんて何もないですよ~、もしよろしければ今後もお気軽にコメント頂けると嬉しいです!!
おぉ!! ピクシブで気に入って下さったのですね!! アップして良かった~。 ところが途中からやたらと自分のアップするものを本部に違反報告する御方が現れたようで、あちらは宣伝用にしか使わなくなってしまったのですよねぇ……(汗) また、挿絵アップ再開しようかしら……。

のんけも、楽しんで頂けて良かったですー!! しかも、人生初購入同人誌がまさかののんけも設定集……!!? ひぎい!!! ブログで始めたなんちゃってラノベ的なノリでしたが、基本自分が設定魔なのでビックリするくらい文字だらけになったんですよね(汗)
他ののんけも同人誌までご購入くださり、本当にありがとうございます!! 現在はゲームや他の同人誌製作にいっぱいいっぱいでのんけもの更新が年に1~2回とガッカリな感じになってしまっておりますが、今後も連載は続けていくつもりですので宜しくお願い致します~!!

応援&お心遣い、ありがとうございます!!
お絵かきなどは、自由に上げて下さって大丈夫ですよー!! アップしましたら、ピクシブメッセージなどでご報告頂けたら嬉しいです。 見に行かせて頂きますので!!(小説などですと時間がかかってしまい読みに行くのが難しいのですが、イラストですと作業の合間に見に行けますので!)
2017-09-09 土 15:48:06 | URL | トラトラ [編集]
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